第80第ダービー馬に輝いたキズナが、今秋にフランスの凱旋門賞へ参戦することが正式に表明された。佐々木調教師が明らかにしたもので、ステップレースは当初言われていた札幌記念ではなく、ロンシャン芝2400mで行われる3歳限定のGIIニエル賞へ出走する予定だという。

ダービー馬キズナ凱旋門賞前にニエユ賞
(日刊スポーツより)

ダービー前から「凱旋門賞への参戦」を視野に入れていることが明らかとなり、ダービー勝利後、武豊騎手が「この馬を世界一にしたいと思います」と語ったことで期待は大きく膨らんだ。

さすがに佐々木調教師が「札幌記念を前哨戦に……」と発言した時は「血迷ったか」と思ったものだが、しっかりと現地で前哨戦を使ってくれるということで一安心。

凱旋門賞を制するためにはロンシャンのコースを経験することも重要かもしれないが、個人的にはそこまで重要視していない。同じコースを2度立て続けに使うというのはそれなりにリスキーなことだからだ。

では何が重要かといえば、現地の雰囲気に慣れて、現地で調教を積み、「凱旋門賞仕様」の馬体をつくり上げることだ

昨年、オルフェーヴルで凱旋門賞2着となった池江泰郎調教師は、フランスで調教を積んだことで「オルフェの馬体が大きく様変わりした」と語っている。これは現地の施設で調教を積むことで、深い芝の馬場に適応できるカラダができていったということだ。

よって長期間滞在することは非常に重要。前哨戦を使う意味も出てくるというものだ。

キズナは血統的な視点から見ると、凱旋門賞で好走することが厳しいように思えてくる。ただ、行くからには全力を尽くしてほしいし、その意味でこのニエル賞という選択は悪くない決断だ。陣営の判断を支持したい