3つの“キズナ”がひとつの形となりターフに舞い降りる。
今年も残すところあと1カ月となり、2歳馬たちの力関係も徐々に見えてきた。エピファネイア、コディーノ、レッドレイヴンなど、将来が楽しみなスター候補たちも次々に登場している。
そして、その中でもひときわ輝きを放ち、その将来を期待されているのが
キズナ
である。佐藤哲三騎手の落馬負傷というアクシデントに伴い、次走ラジオNIKKEI賞2歳Sは武豊騎手で臨むことになった。
武豊騎手とノースヒルズマネジメントといえば、まず真っ先に思い浮かぶのがトレイルブレイザー(馬主は前田幸治氏)だろう。
なかなか調子が上がらずに、社台系の馬からソッポを向かれた時期もあった武豊騎手だったが、ノースヒルズマネジメント系の関係者は「競馬といえば武豊」と信頼し続け、騎乗依頼を続けた。今秋にはこのコンビでアメリカに渡り、BCターフに挑戦。惜しくも4着に敗れたが、誰もが納得の騎乗ぶりで遠征を終えた。
そして今回、前田晋二オーナー所有のキズナの手綱をとることに。マイルチャンピオンシップの制覇で再びGIのお立ち台にたったことで流れが向いたのは確かだろうが、それ以前に武豊騎手とノースヒルズマネジメント系のオーナーたちは良い関係を築いていたと言える。
さらにエスポワールシチーを管理し、今週のJCダートへの騎乗も依頼した佐々木調教師の存在も大きかっただろう。今年のフェブラリーSでも佐藤哲三騎手の代役として武豊騎手に騎乗を依頼。2人の間にも確かな信頼関係が築き続けられている。
武豊騎手、ノースヒルズマネジメント、そして佐々木調教師。3人の絆が集約されたキズナは、どのような走りを見せてくれるのか、今から楽しみである。
さて、来る5月26日は日本競馬の「始まりと終わりの日」日本ダービー。オークスは武幸四郎騎手とメイショウマンボが1着でゴール板を駆け抜けました。この“キズナ”は、否が応にも今週のダービーへの“サイン”だと考えたくもなるものです(笑)。
ダービーでは、武豊騎手とキズナのコンビが大きな期待を集めることでしょう。兄弟による連続GI制覇、前人未到5度目の東京優駿優勝ということになれば、競馬はもっと盛り上がるはず。このコンビには、馬券を度外視してでも注目して行きたいところです。
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