キズナで第80回東京優駿を制した武豊騎手。2005年のディープインパクト以来となるダービー制覇の喜びを、改めて噛み締めているようです。
「キズナが、第80代のダービー馬になりました。こんなにうれしいことってあるんだろうか、と思うぐらいうれしくて、前田オーナーをはじめ、支えてくださったたくさんの方々に感謝を申し上げます」
ダービー制覇当日、そう語った武豊騎手は29日にもブログを更新し、こう続けている。
「GIを勝った翌週にトレセンにやってくる楽しみというのを、今日、改めて思い出しました。早朝から、すれ違う人すれ違う人、皆さんが「おめでとう!」と声をかけてくれるのです。午前中の短い時間でしたが、何度「ありがとうございます」と返させてもらったでしょうか。しみじみと、勝ててよかったと思いました」
「殊勲のキズナとも会ってきましたが、厳しいレースのあとというのに、想像以上に元気でした。1頭になるとウイニングランも心細そうな幼い面も残していますが、レース内容は強さを増す一方。その能力の高さはまだまだ底知れないものを秘めていると感じます」
「秋の目標も凱旋門賞に決まりました。前哨戦のニエユ賞を叩いて本番に向かうというのが現時点での青写真。世界最高峰の戦いですから厳しいのは当然ですが、日本一になったキズナを世界一の馬に導けるように頑張ります」
キズナの父でもあるディープインパクトで臨んだ凱旋門賞は1番人気に支持されながらも勝ち切れずに3着(後に失格)。「凱旋門賞を勝つことが夢」と公言し、「遂に勝つ時が来たと思った」と話す武豊騎手にとって、ディープでの敗戦は我々が思っている以上にショックだったはずだ。
しかし、そのリベンジへ向けてディープの子どもで再び凱旋門賞へ――。相当の思いでレースに臨むだろうし、本当に今から胸がワクワクする。
そして彼の目標はこれだけではない。
「来年のダービーへの戦い、2歳の新馬戦が早くも始まります。まだ誰もやったことのない、ダービーを二度連覇するという目標に向けて、長い一年を戦っていくわけです」
史上初5度目のダービー制覇を成し遂げながらも「ダービーは何度でも勝ちたい」と、勝利への意欲は全く衰えていない。これからもその挑戦を見守り、胸を躍らすようなレースを一つでも多く見られることを期待したいですね。