今回はきさらぎ賞で上位人気が予想されるルージュバックについて書いていこう。

前走、百日草特別で脅威のレコード勝ち。次走、京成杯を制すベルーフをおさえて勝ったことで一躍注目の的となった。

果たして、牡馬混合重賞でも力の違いを見せつけるのだろうか?

優等生すぎるマンハッタンカフェ産駒

新馬戦、前走を見れば能力の高さは明らかだ。

しかし、まだまだ若駒。本当に能力のある馬なのか、分からない。そこで、血統的な側面からこの馬の強さを探っていきたい。

果たして、ルージュバックは大成するのだろうか?

不安要素として挙げられるのがマンハッタンカフェ産駒ということだ。

マンハッタンカフェ産駒の特徴といえば“優等生”であるところ。芝ダートともに“ある程度”活躍馬が出ているし、どんな条件でも“そこそこ”走る。

ただ優等生すぎるがゆえに、「80点の馬」が多く、突出した能力を持つ馬が出にくい。

レッドディザイア
ジョーカプチーノ
ヒルノダムール
グレープブランデー

今までGI馬は4頭出ている。レッドディザイアは秋華賞を制し、ドバイでオールウェザーのGIIマクトゥームチャレンジを勝っている。ヒルノダムールは2000mの皐月賞で2着、天皇賞春で1着と、異なる条件のGIで好走している。

しかし中央GIを複数勝った馬は1頭もいない。

マンハッタンカフェ産駒は器用であるため、どんな条件にもある程度対応できる。思い返してみればレッドディザイアの秋華賞はブエナビスタより器用に立ちまわったからこそ勝てたわけだし、ヒルノダムールの天皇賞春は他の有力馬が軒並み仕掛ける出入りの激しい競馬になった中、ただ1頭内でじっとして体力を温存したからこそ勝てた“漁夫の利”的な勝利だった。

ジョーカプチーノのNHKマイルカップにしても逃げ切り勝ち。

つまり、圧倒的な力の差を見せつけるような内容で勝った馬はいないということだ。

ルージュバックも本質的には“80点の馬”の血を引いているわけだから、ここから大成していけるか、やや疑問符がつくところ。

あとは配合的な点も気になる。

マンハッタンカフェ×米国型ノーザンダンサー系の配合といって最初に思いつくのがショウナンマイティだろう。

同馬は上がり3ハロンの瞬発力勝負に特化した馬で、GI級の力を持っている。ただ、GIでは脚質が極端なこともあって勝ち切れていない。GIで3回、好走歴がある割に、重賞勝利も産経大阪杯の1勝のみだ。

配合と脚質を考えると、ショウナンマイティのような馬になっていく可能性は十分だと考えられる。それだけに、信頼を置き過ぎるのはやや危険ではないか、というのが現時点での見解だ。

ちなみに現時点で将来性が最もあり、きさらぎ賞でも有力だと考えられるのがこの馬だ。

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