今回は秋のマイル王決定戦マイルチャンピオンシップを徹底的に検証していく。

今年は連覇を狙うトーセンラーやNHKマイルカップの覇者ミッキーアイル、2年前のクラシックを賑わせたワールドエースやグランデッツァが出走を予定している。そんなレースのポイントとはどこにあるのだろうか?

まずは歴代のレースラップを振り返り、マイルチャンピオンシップの“本質”を見定めていこう。また、春のマイルGI安田記念のレース質と比較することで、よりわかりやすく、ポイントを知ることができる。

GIらしい流れ

マイルCSは京都芝外回り1600mで行われる。まずは歴代のレースラップを見ていくことにしよう。

2013年
12.5-11.1-11.5-11.7-11.5-11.2-11.4-11.5
46.8−45.6

2012年 ※稍重
12.5-11.1-11.4-11.9-11.3-11.3-11.5-11.9
46.9−46.0

2011年 ※稍重
12.4-10.8-11.2-12.3-11.9-11.8-11.6-11.9
46.7−47.2

2010年
12.1-10.7-10.9-11.6-11.4-11.1-11.9-12.1
45.3−46.5

2009年
12.1-10.9-11.8-12.4-11.5-11.4-11.2-11.9
47.2−46.0

全体を通して極端に緩むことがなく、GIらしいよどみのないペースになっている。

この事実と、京都外回りのコース形態を照らしあわせてみると、レースの“本質”が見えてくる。

・よどみのないラップ
・3コーナーからの坂(直線が平坦)

この2つがマイルCSを攻略する上で、大きなポイントとなる。

ラップが緩まないということは、息をつくタイミングがないということだ。人間で考えてみてほしい。例えば1000m走で900mまでゆったりとした流れで進めば、ラスト100mはスプリント戦のようなスピード比べになる。しかし、900mまで早いペースが続けば、残り100mは速く走ることなんてできない。いかに脱落しないか、いかに我慢できるかがポイントとなってくる。

だからマイルCSは、“我慢比べレース”のように見える。

しかし、実際にはそうではない。なぜなら、京都はコーナーが下り坂になっているからだ。

下り坂があれば、多少力を抜いても勝手に脚が進んでいく。だから、(ゆったりしたペースの時までではないにしても)脚を溜めることが可能になる。

しかも最後は坂のない平坦コースになっている。コーナーで溜めた脚を使える舞台設定が整っているわけだ。極端な瞬発力勝負にはならないが、スピードは必要不可欠。スピードのない馬が惰性で逃げねばれるほど甘いレースでもない。

・コーナーで脚を溜められる
・直線が平坦のためスピードを出しやすい

ここが安田記念との最大の違いである。

安田記念との違い

同じマイルGIの安田記念と比較すると、求められる適正が全く違うことが分かる。

安田記念もペースが緩まず、厳しい流れになることがほとんどだ。しかも京都と違い、コーナーに坂がないため、脚を溜めることができない。加えて直線には坂が待ち構えている。馬からしたら「勘弁してくれ」というくらい、厳しい舞台設定なのだ。

安田記念が「消耗戦」といわれ、底力を持った馬しか走れない背景には、そういう理由がある。言い換えれば、安田記念で走れたからといって、適正が違うマイルCSで走れるとは限らない。また、安田記念で惨敗したからといって、マイルCSでもダメかといえば全くそんなことないのだ。

その点を強く意識して予想を進めていくべきだろう。

マイルCSで狙うべき血統

マイルCSと安田記念の違いは血統面に現れている。

安田記念はサンデーサイレンス系が苦手なGIだ。サンデー系は本質的に底力勝負に向いていないからである。しかし、マイルCSではサンデー系の台頭が見られる

実際、過去10回の両レースにおける父サンデー系の勝利数を見てみると……

安田記念→2勝
マイルCS→7勝

ご覧のとおり、差は歴然だろう。ペースが緩むことが少ない。しかしスピードが求められる。だからサンデー系を筆頭とする瞬発力血統の台頭が目立つ。

まとめると……

・一定のスピードが使える血統がプラス
・重たすぎる底力血統はマイナス

これを大前提にして、マイルCSの考察を行っていこう。となると、狙ってみたいのはこの馬

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安田記念は馬場に泣いたが、京都適性の高さは証明済み。ここで大駆けあってもおかしくないはずだ。