今回はマイルチャンピオンシップで上位人気が予想されるフィエロについて書いていきたい。

重賞未勝利馬ながら“遅れてきた大物感”を漂わせるディープインパクト産駒は、マイル王に上り詰められるのだろうか?

フィエロの不安要素

フィエロは安定した馬だ。不良馬場の安田記念と、長期休み明けだったデビュー2戦目を除けば(5−2−2−0)と安定感抜群。前走のスワンステークスでは後方から33.2秒の強烈な末脚を披露し、状態の良さを感じさせた。

重賞未勝利馬ながら3番人気前後に支持される見込みとなっている。

では、フィエロは素直に買っていいのだろうか?

結論から言えば、ここに来てあまり美味しい馬だと思えなくなってきている。

理由は「馬場」と「騎手」にある。

今年の秋の京都はとにかく先行、内有利の馬場状態が続いている。下級条件なら差しも決まるが、上級条件になるとなかなか決まらない。事実、芝外回りの1600〜2400m(準オープン以上)における脚質別の成績を見てみよう。

脚質別成績
脚質上り 着別度数
平地・逃げ 3- 0- 1- 6/ 10
平地・先行 4- 5- 2- 26/ 37
平地・中団 2- 4- 4- 24/ 34
平地・後方 0- 1- 3- 30/ 34

集計期間:2014.10.14 ~ 2014.11.16

ご覧のとおり、差しはほとんど決まっていない。事実、上がり1位は(0−4−4−5)と、好走率こそ高いものの、差しきれていないのだ。

これはマイル戦に限っても同じ。条件を問わず、外回りのマイルで行われたすべてのレースの集計をとってみよう。

脚質別成績
脚質上り 着別度数
平地・逃げ 1- 2- 0- 4/ 7
平地・先行 5- 1- 4-16/26
平地・中団 1- 3- 1-20/25
平地・後方 0- 1- 2-20/23

集計期間:2014.10.12 ~ 2014.11.16

逃げ先行馬が圧倒的な戦績を残しているのは一目瞭然だ。後方からレースを進めた馬は1勝もしていないし、ほとんど馬券に絡んでいない。

しかし、フィエロは後方一気タイプだ。ほとんどのレースで後方から競馬を進め、末脚にかけてくる。となると、信頼性は決して高くない。

しかも鞍上は福永祐一だ。おそらく折り合いに専念するはず。先行するような積極的な競馬はしてこないだろう。だが、そんな騎乗では勝てない。届かず3、4、5着という未来が見えてくる。能力的には面白いフィエロだが、鞍上が最大の敵になる可能性があるわけだ。

もちろん、騎手がどう動くかは始まってみないと分からないため、決め付けは良くない。フィエロにも買いたい要素はたくさんある。ただ、現在の京都がフィエロに味方しているかというと、決してそうとはいえないという事実は頭に入れておくべきだろう。

なお、現在ディープインパクト産駒以外で買ってみない馬を公開している。(追記:当初はサンライズメジャーでしたが出走取消のため、別の馬に差し替えました)

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