今回はアルゼンチン共和国杯の「全頭診断」を行う。
これまで主に「高齢馬の不振」や「4歳馬の躍動」、「5、6歳馬の好走の条件」、そして「血統」について検証してきた。
そのことも考慮した「総評」をお届けする。出走頭数多いため、今回は2回に分けてお送りする。今回は第1弾。
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週末の予想に直結する可能性が高く、内容は必見。秋の飛躍を目指す出走馬たちを、紐解いていこう。
全頭診断その1
※馬名(血統評価A〜E)
※血統評価はあくまでも血統のみ見た評価であり、出走馬自体の評価ではありません
アスカクリチャン(C)
父スターリングローズ、母父ダイナレターという血統。
母父ノーザンテースト系というのは悪くないが、それ以外に強調材料はない。グレイソヴリンやロベルトといった好走血統を持っていないし、スピードにも欠ける印象だ。
実際、前走は59キロを背負ったとはいえ、差し比べに負けて4着に惜敗。今回、斤量は3キロ減だが、メンバーは大幅に強化される。
アルゼンチン共和国杯で劣勢傾向にある6歳という馬齢もネック。ここ4走は掲示板を確保している好調馬ではあるが、前走東京で3着以下だった馬の成績は(0―0―0―32)。あとは枠順と人気との兼ね合い。内枠がほしいが、どうか。
アドマイヤラクティ
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イケドラゴン(D)
父ニューイングランド、母父サクラユタカオーという血統。
血統的に強調できるのは5代目にリボーの血を持っているくらい。父、母父ともに長距離GIでの実績はなく、スタミナという点では他馬に劣る。
7走連続で低斤量ながら1秒以上の負け。何より8歳馬では、タフなアルゼンチン共和国杯で好走することはできない。
エックスマーク
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コスモラピュタ(B)
父ロージズインメイ、母父トニービンという血統。
好走血統のグレイソヴリン系を母父に持ち、セントサイモンの血を3代目に持っている点もプラスだろう。ロージズインメイ産駒の適正距離はもう少し短いところにあるが、ぎりぎり許容範囲ではある。母母父のサドラーズウェルズも底力を加えてくれるはずだ。
ただ、いかんせリズムを崩した6歳馬にフレッシュさを求めるのは酷な話で、前走中山で凡走した馬が巻き返して好走した例はない。苦戦必至だろう。
コスモロビン
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サイモントルナーレ(E)
父ゴールドアリュール、母父アフリートという血統。
ダート配合で、長距離GIの血や凱旋門賞血統とも縁がない。好走血統も持っていないため、全く評価はできない。
しかも7歳という高齢馬。
前走は斤量50キロで勝っているが、ハンデ戦とはいえ東京では厳しいだろう。ここで惨敗し、コーナー4つのローカルハンデ戦で狙いたい。
シゲルササグリ(D)
父ブラックタキシード、母父デインヒルという血統。
母父のデインヒルは持続的なスピード競馬を得意とする馬だが、父のブラックタキシードも含めてスタミナという点では他馬に見劣りする。3代目のストームキャットやアリダーも、この舞台で強調できるような種牡馬ではない。
ロベルト、グレイソヴリンの血も持っておらず、血統的な観点から見るとこのレースに向いていない。
もっとも、4歳の上がり馬という点は評価できるし、前走勝っていることも好材料。また、前走からの斤量減も悪い要素ではない。過去10年、4歳馬が斤量減で出走した場合の成績を見てみると……
(3―4―4―20)
複勝率36%
複勝回収値119
ご覧のとおり、好走率は高く、穴もあけている。ただ、返す返すも血統面は気になるところ。本質的にはローカルの小回り向き。
ということで、最も買いたい馬はこの馬!
その馬の名は→
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次回もアルゼンチン共和国杯の「全頭診断」をお送りする。乞うご期待!