(C)arima0208

前回はアルゼンチン共和国杯の「馬齢」について掘り下げて検証した。

その過程で「高齢馬の不振」が浮き彫りになり、反対に「4歳馬の躍進」の理由が分かった。

今回は5、6歳馬にスポットを当てて、彼らが激走するための条件を探っていく。

キーとなるのは「近走の成績」だ。

5、6歳馬が好走するために必要なこと

前回の検証で、4歳馬が台頭する理由を「GI級の力がある馬が賞金稼ぎのため出走してくるため」と書いた。

これは反対に言えば「5、6歳馬が弱いから」4歳馬の台頭を許しているということになる。

4歳馬の場合は力があっても賞金が足りないからこのレースに「仕方なく」出てくるケースが多々ある。

一方、5、6歳馬の場合は弱いから賞金が足りずにGIに出られず、このレースに出てくるケースが目立つ。

強い馬であれば天皇賞秋に出ている。2000Mが適正距離ではないため、ジャパンカップを見据えて出走してくる馬もいるが、本当に強い馬であれば多少適正距離に足りなくても天皇賞秋を選んでいるはずだ。

つまり、アルゼンチン共和国杯に出てくる5、6馬はGIに出走するには足りないレベルの馬なのだ。

そういった馬が、GI級の力を持っている4歳馬と戦うとどうなるか? 結果は、アルゼンチン共和国杯における“惨敗の歴史”が証明している。

では、5、6歳馬が好走するための条件とは一体何なのだろうか?

答えは簡単だ。GIIIレベルで頭打ちになっている馬では通用しない。好走できるとすれば、それは5歳や6歳になってから力をつけてきた「上がり馬」だ。

実際、5、6歳で好走している馬のタイプは、以下の3つに分かれる。

A.前走GIに出走
B.近3走以内に重賞で好走
C.前走条件戦の場合は勝利

Aは既にGI級の力を持っている馬。BとCは近走充実していて、重賞で好走する力を持っている馬を意味する。

過去10年、5、6歳馬で好走した馬は12頭。そしてうち10頭が上記の条件に合致していた。

例外はわずか2頭。しかし、サクラセンチュリーは近3走こそ、馬券にはなっていなかったが、それぞれ重賞で4→6→5着と好勝負を演じていた。そして4、5走前は重賞で連勝している。

つまり、ほとんどの馬が近走充実していたことになる。

今年も力をつけてきた上がり馬は買い。反対に停滞している5、6歳馬は容赦なく切り捨てたほうがよさそうだ。

となると、近走馬券になっていないにもかかわらず、5番人気以内に支持されることが確実なこの馬を高く評価することは難しそうだ。

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次回はアルゼンチン共和国杯の“好走ローテ”について書く予定。乞うご期待!