前回の検証では天皇賞秋の「好走血統」について記した。
その過程で府中の根幹距離で行われるGIで求められる要素が分かり、5年連続で好走馬を出している血統について触れた。
今回も引き続き、血統に関して探っていく。
キーワードは「スピードの持続力」である。
好走馬86%が持っていた持続力の血
天皇賞秋が行われる府中競馬場は、直線が長く、いかにスピードを持続的に使うか、という能力が求められる。
一瞬の切れ味だけでは通用せず、ある程度長い脚を使うことが好走への重要なファクターとなる。
そこで浮上してくるのが「ナスルーラとダンジグの血」だ。
ナスルーラはイギリスとアメリカの両方でリーディングサイアーに輝いた大種牡馬で、豊なスピードとその持続力を特徴とした種牡馬だった。今ではグレイソヴリン系やプリンスリーギフト系、ネヴァーベンド系などに枝分かれしているが、スピードの持続力という共通の強みはどの系統も同じ。そしてダンジグもスピードの持続力に優れた種牡馬だ。
実際、歴代の好走馬を見てみると、ほとんどの馬がいずれかの血を持っていた。
2012年
2着 フェノーメノ(1番人気)
母父デインヒル(ダンジグ系)
3着 ルーラーシップ(3番人気)
母父トニービン(ナスルーラ系)
2011年
1着 トーセンジョーダン(7番人気)
父ジャングルポケット(ナスルーラ系)
2着 ダークシャドウ(2番人気)
母母父ダンジグ
3着 ペルーサ(6番人気)
母父キャンディーストライプス(ナスルーラ系)
2010年
2着 ペルーサ(4番人気)
前述
3着 アーネストリー(2番人気)
母父トニービン(ナスルーラ系)
2009年
1着 カンパニー(5番人気)
父ミラクルアドマイヤ(ナスルーラ系)
2着 スクリーンヒーロー(7番人気)
父母父ダンジグ
3着 ウオッカ(1番人気)
父母父クリスタルパレス(ナスルーラ系)
母父ルション(ナスルーラ系)
母母父トウショウボーイ(ナスルーラ系)
2008年
1着 ウオッカ(1番人気)
前述
2着 ダイワスカーレット(2番人気)
父母父ロイヤルスキー(ナスルーラ系)
3着 ディープスカイ(3番人気)
父母父ロイヤルスキー(ナスルーラ系)
ご覧のとおり、15頭中13頭もの馬が、「スピードの持続力の血」を持っていた。持っていなかったのはブエナビスタとエイシンフラッシュのみ。
ブエナビスタは実力が抜けていたし、エイシンフラッシュはダービーを究極の瞬発力勝負で制した馬で、そのダービーと同じような展開になったからこそ台頭できたと言える。
基本的には「スピードの持続力の血」がなければ好走は難しいだろう。
今年は有力馬の中にも、この好走血統を持っていない馬が複数存在する。特にこの馬は「危険な人気馬」になる可能性が高い。
その馬の名は→
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明日も天皇賞秋を攻略する上で欠かせない“必須要素”を徹底検証する。乞うご期待!