前回は「天皇賞秋でエイシンフラッシュの連覇が厳しい理由」について検証した。
レース体系が整った1984年以来、天皇賞秋を連覇を成し遂げた馬は事実上いない。ゼンノロブロイもウオッカもブエナビスタも、連覇を成し遂げることはできなかった。エイシンフラッシュにとっても厳しい道程が待っていることは間違いないだろう。(詳しくはこちらへ)
さて、今回は「最強馬決定戦」で求められる実績について記していこう。
キーワードは「根幹距離重賞での実績」だ。
実績が好走を呼ぶ
東京芝2000Mで行われるGI天皇賞秋は、「真の実力が問われるレース」だ。
だからフロックが起こることはほとんどないし、歴代好走馬のほとんどは天皇賞秋で好走するための実績を積んでこのレースに臨んできた。その実績とは……
A.根幹距離GIでの連対歴
B.根幹距離GIIでの勝利歴(※ハンデ戦は除く)
この2つのどちらかの実績がなければ、天皇賞秋で好走することは難しい。
「真の実力が問われるレース」では、それ相応の「格」が求められるからだ。実際に歴代好走馬に当てはめていこう。
2012年
エイシンフラッシュ A
フェノーメノ A
ルーラーシップ A
2011年
トーセンジョーダン B
ダークシャドウ ※
ペルーサ B
2010年
ブエナビスタ A
ペルーサ B
アーネストリー B
2009年
カンパニー B
スクリーンヒーロー A
ウオッカ A
2008年
ウオッカ A
ダイワスカーレット A
ディープスカイ A
過去5年だけさかのぼったが、15頭中14頭がどちらかの実績を持っていた。唯一、ダークシャドウが例外だったが、この馬は根幹距離GIIで連対歴があり、天皇賞秋の最重要ステップである毎日王冠を勝ってこのレースに臨んでいた。何よりこの時は4歳秋と、一番油が乗った時期だった。こういった馬が入れば、以降の余地はある。
ただ、基本的には上記のファクターに合致していることが好ましい。単純なファクターだが、トーセンジョーダンやペルーサ、スクリーンヒーローといった5番人気以下の穴馬もすべてこのファクターをクリアしていた。さらに遡ればヘヴンリーロマンスやダンスインザムード、テンザンエイザもこの実績を持った中で穴を開けていた。
今年の登録馬でこのファクターに合致していないのは……
アンコイルド
サトノギャラント
ジャスタウェイ
スピルバーグ
ダイワファルコン
ダノンバラード
ナカヤマナイト
フラガラッハ
メイショウナルト
ルルーシュ
レインスティック
レッドレイヴン
ヴェルデグリーン
格落ちする上記の馬たちが激走する可能性は低いと言わざるを得ない。
一方で、上記のファクターを満たしているにもかかわらず人気がない馬は、穴を開けるポテンシャルを秘めている、と言い換えることができる。
例えば、この春にGIで連対したにもかかわらず、全く人気がなさそうなこの馬は「おいしい穴馬」といえるかもしれない。
その馬の名は→
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次回はいよいよ、天皇賞秋の「好走血統」について触れていく。乞うご期待!