今回も天皇賞秋の「全頭診断」を行う。
これまで主に「根幹距離実績の重要性」、「キャリア考察」、「58キロ実績」そして「血統」について考察してきた。
そのことも考慮した「総評」をお届けする。出走頭数多いため、今回は3回に分けてお送りする。今回は第1弾。
週末の予想に直結する可能性が高く、内容は必見。天皇盾の名誉を目指す出走馬たちを、紐解いていこう。
全頭診断その1
※馬名(血統評価A〜E)
コディーノ(C)
父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンスという血統。
同じ配合のローズキングダムやトゥザグローリーがそうであるように瞬発力はあるものの、底力に欠ける印象を受ける。「スピードの持続力の血」やノーザンテーストも持っていないため、血統的には強調できない。
3歳馬のため斤量の不安はないし、朝日杯とはいえ根幹距離GIでの好走歴もある。
だからこそ、この血統が最大のネック。しかもキングカメハメハ×サンデーサイレンスという配合は、早熟傾向にある。ローズキングダムやトゥザグローリーがそうであったように、一度枯れると復活を臨むことは難しい。
ローズキングダムが3歳秋にジャパンカップを制しているため、コディーノも今が旬なのかもしれないが、正直枯れ始めている印象もあるだけに、危険な香りはしている。
ナカヤマナイト(D)
父ステイゴールド、母父カコイーシーズという血統。
ステイゴールドはノーザンテーストの影響を受けた種牡馬で、好走血統に合致している。しかし、問題は母系。カコイーシーズがひ弱すぎる。
父ステイゴールドは洋芝適正が高く、実際にオルフェーヴルやナカヤマフェスタが凱旋門賞で2着になっている。しかし、ナカヤマナイトは3歳時にフランス遠征し、2走したがいずれも大凡走と言っていい内容だった。洋芝がどうとか以前に、スタミナや底力といったステイゴールドの長所が母父カコイーシーズによって削がれてしまっているのだ。GIで好走するだけの力はない。
キャリア20戦以上で、58キロでの実績も(0―0―0―5)と皆無。根幹距離重賞での好走歴もなく、内枠に入って穴人気するだろうが、好走を後押しするような要素はない。
ダイワファルコン(A)
父ジャングルポケット、母父サンデーサイレンスという血統。加えて母母父がノーザンテースト。天皇賞秋の好走血統に完全に合致している。
もっとも、この馬も実績面で注文がつく。キャリアは31戦だが、30戦以上で好走したのはカンパニーのみ。58キロでの好走歴もなく、根幹距離重賞での実績もなし。
近走の内容を見ても力が足りない可能性が高い。
トゥザグローリー(C)
父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンスという血統。
前走の京都大賞典で復活の兆しが見えたものの、私が重要視しているファクターを通してみると決して買える馬ではない。ノーザンテーストもナスルーラの血も持っておらず、血統的に強調できる要素はなし。
キャリアは24戦で多すぎるし、58キロの克服歴はあるものの、最後に好走したのは2012年1月の日経新春杯だ。ここで巻き返しを期待するのは酷。
レインスティック(E)
父サクラバクシンオー、母父サンデーサイレンスという血統。
サクラバクシンオーがノーザンテーストの血を持っている点はプラス。しかし、そのサクラバクシンオーに2000M以上の重賞での好走を臨むことはあまりに酷だろう。
カンパニー以外、好走例がないキャリア30戦以上の馬で、非根幹距離重賞実績も持っていない。
ましては初の58キロ。好走するための下地があるとは思えない。
ということで、総じて辛い評価になってしまったが、無理やり穴馬を作り出して買っても馬券によくないため、仕方ない。
ちなみにコディーノの取捨選択は、今のところ、こう考えている。
次回も天皇賞秋の「全頭診断」をお送りする。(その前に土曜日の予想が入るかもしれないがご了承ください。)乞うご期待!