前回の検証では天皇賞秋の「好走血統(その2)」について記した。
府中のGIで「スピードの持続力」がいかに重要かが分かり、好走馬86パーセントが持っていた血統について分析した。
今回は別の角度から天皇賞秋を攻略するカギを探っていく。
キーワードは「58キロへの対応力」だ。
斤量58キロが競走馬に与える影響
天皇賞秋は斤量58キロ(牝馬56キロ)で行われる数少ないレースだ。天皇賞春、宝塚記念、安田記念といった限られたGIでしか、この斤量を背負うことはない。
では、重い斤量を背負うとどういった影響が出てくるのか?
私は、「勝負どころのスピード」に違いが出てくると考えている。斤量を背負えば背負うほど、切れ味は鈍る。スピードが求められる天皇賞秋においては致命傷になりかねない。
しかも58キロという斤量を背負い慣れている馬は少ない。普段背負わない斤量を背負えば、必然的に本来の力を発揮できない馬が出てくる。実際、過去の好走馬たちは58キロを克服した経験があった。
2012年
エイシンフラッシュ
天皇賞春 58キロ 2着
宝塚記念 58キロ 3着
フェノーメノ ※3歳
ルーラーシップ
宝塚記念 58キロ 2着
2011年
トーセンジョーダン
AJCC 58キロ 1着
ペルーサ
日経賞 58キロ 2着
2010年
ブエナビスタ
宝塚記念 56キロ 2着
ペルーサ ※3歳
アーネストリー
宝塚記念 58キロ 3着
2009年
カンパニー
毎日王冠、中山記念 58キロ 1着
スクリーンヒーロー
阪神大賞典 59キロ 4着(※重馬場)
ウオッカ
前年天皇賞秋 56キロ 1着
2008年
ウオッカ
安田記念 56キロ 1着
ダイワスカーレット
産経大阪杯 56キロ 1着
ディープスカイ ※3歳
ご覧のとおり、2011年のダークシャドウ以外はすべて58キロ(牝馬は56キロ)の克服歴があった馬か、3歳馬が好走していた。
今年も58キロの克服歴があるかどうかが、勝負の命運を分けるポイントになるだろう。
となると、58キロどころか、57キロでの好走歴すらないこの馬は厳しい戦いを強いられそうだ。
その馬の名は→
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近走の内容から穴人気は必至だが、この“斤量問題”が文字通り重くのしかかることは間違いない。
なお、次回はGIにおける「重馬場の歴史」を振り返りたい。今週は台風による影響があることは間違いなく、考察しておいたほうがよさそうだ。