(C)taka_10
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今回も菊花賞の「全頭診断」を行う。

これまで主に「内外の有利不利」、「上がりの重要性」、「血統」について考察してきた。

そのことも考慮した「総評」をお届けする。出走頭数多いため、今回は3回に分けてお送りする。今回は第3弾。

週末の予想に直結する可能性が高く、内容は必見。最後の1冠を目指す牡馬たちを、紐解いていこう。

全頭診断その2

※馬名(血統評価A〜E)

ダービーフィズ(B)
父ジャングルポケット、母父サンデーサイレンスという血統。これは天皇賞春馬のジャガーメイルと同じ配合だ。しかも母母父はセントサイモン系のローソサエティ。やや軽い印象がある同馬だが、血統的な下地、底力という点では悪くないものを持っている。

ただ、菊花賞で結果の出ていないセントライト記念組という点はネック。前走セントライト記念組は過去10年で(0−3−2−38)と残念な結果しか残っていない。

昨年はスカイディグニティ、一昨年はトーセンラーと2年連続で好走馬を出しているが、勝ち馬はゼロ。人気がなければヒモで買ってもいいが、軸におけるタイプではない。

サトノノブレス(A)
父ディープインパクト、母父トニービンという血統。父のディープインパクトは瞬発力に優れた種牡馬で、母父のトニービンは凱旋門賞馬。「瞬発力と一定のスタミナ」を持っていて、菊花賞の好走血統に合致している

西のトライアル3着馬は菊花賞で化ける。こういった「前走何着の馬がいい」とか「●番人気の馬が走る」といった事項は大半が数字のマジック(偶然の産物)だが、神戸新聞杯と菊花賞の関係性はそうではないように思える。

神戸新聞杯は究極の瞬発力勝負になりやすい。過去5年の神戸新聞杯における、テンの3ハロンと上がり3ハロンの比較はというと……

2013
36.2ー34.5

2012
36.3ー35.8

2011
37.2ー33.6

2010年
37.7ー33.8

2009年
35.5ー34.5

例外なく後傾ラップで、5年中4年は1秒以上上がりのほうが速い。当然、究極の瞬発力が求められるわけで、「瞬発力型」の馬が連対する可能性がとても高い。

一方、菊花賞では瞬発力だけでなく、スタミナが求められる。だから神戸新聞杯よりも「地力型」の馬が来る傾向にある。

神戸新聞杯3着馬というのは、究極の瞬発力勝負では切れ負けしてしまうものの、一定の瞬発力を持っていて、GI級の馬たちにも大きくは負けない底力を持っている可能性が高い。だから、菊花賞で好走できるのだ。

サトノノブレスもまさにそういったタイプ。究極の切れ味勝負では負けるものの、近5走中3走で上がり3位以内をマークするなど、末脚は決して悪くない。また、脚質的にも先行してうまく立ち回れるタイプで、菊花賞には合う。

デイリー杯2歳Sのピークトラム(父チチカステナンゴ)、京都大賞典のヒットザターゲット(母父タマモクロス)が人気薄で好走し、秋華賞でもリボントリコロールが12番人気ながら掲示板を確保するなど、京都の高速馬場にグレイソヴリンの血は合っている。

総合的に考えて、外せない1頭だろう。

ユールシンギング(C)
父シンボリクリスエス、母父スペシャルウィークという血統。

この組み合わせはエピファネイアと同じで基本的な考え方としても同じ。ネックは父シンボリクリスエス、好走できるとしたら母父スペシャルウィークの底力。この馬の場合は、京都の高速馬場に合ったトニービンが母母父であることから、エピファネイアよりもやや適正的には上とも受け取れる。

もっとも、やはりセントライト記念組の(0−3−2−38)という成績はマイナス。今年はレベルも高くなかったし、人気するようなら軽視したい。

アドマイヤスピカ(D)
父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンスという血統。ローズキングダムと同じ配合だが、基本的にこの組み合わせは底力に欠けるし、長距離戦は合わない

ローズキングダムの場合はダービー2着、後にジャパンカップ1着と世代屈指の実力を持っていたから2着に来たが、それでも1番人気の期待を裏切り、現在障害で走っているようなビッグウィークに負けたのだから、適正は低かったと言わざるを得ない。

アドマイヤスピカにローズキングダムほどの実力はなく、好走実績のほとんどないセントライト記念組。切れ味があるのは悪くないが、近4走すべてで4コーナーを3分の2より後ろの順位で通過していた。極端な脚質はマイナスだろう。

ということで、強調材料を特に見い出せず、苦戦は必至

ラストインパクト(D)
父ディープインパクト、母父ティンバーカントリーという血統。ディープインパクトは悪くないとして問題は母父。ティンバーカントリーは種牡馬として芝の2000M以上のレースでほとんど実績がなく、アルゼンチン共和国杯を勝ったトウショウナイトが出ているくらい。

ほとんどの産駒は芝マイル以下かダートで活躍した。

そんなわけでスタミナの裏付けを母系に求めることは難しい。この馬もスローペースになってどこまで、というタイプか。

マジェスティハーツ(B)
父ハーツクライ、母父ボストンハーバーという血統。有馬記念を制し、キングジョージで3着の実績があるハーツクライは、一昨年の菊花賞でウインバリアシオンが好走したように、この舞台に適正はある

もっとも、母父のボストンハーバーはマイル以下で活躍したダート馬で、日本における産駒も主にスプリント〜マイル戦を主戦場とした。母母父のストームキャットも含めて、あまりスタミナの血を感じることはできない。

ハーツクライはダイヤモンドSの勝ち馬で天皇賞春4着のアドマイヤラクティや阪神大賞典でオルフェーヴルを破ったギュスターヴクライなどを輩出しているJRA種牡馬の中でも屈指のスタミナを誇っている。このため、ハーツクライが父という理由だけで買うのもありだが、もうワンパンチ欠けるというのも事実だ。おそらく2、3番人気になるだろうが、人気ほどの信頼性はない。

ということで、現時点で最も買いたい馬はこの馬

その馬の名は……(現在10位前後!当サイトの紹介欄に答えを掲載しています)

次は土曜日の好走血統を探った後に、いよいよ予想を公開する。乞うご期待!