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前回は菊花賞の過去5年連対馬10頭中9頭が満たした「必須要素」について検証した。

ラップ考察を行ったことで、菊花賞は「中盤が緩む」傾向にあることが分かり、「速い上がり」が求められることも明らかとなった。

そこで血統的に求められるのが「瞬発力と一定のスタミナを兼ねそろえた血」。その観点から、今回は圧倒的1番人気に支持されることが確実なエピファネイアについて掘り下げていく。

果たして、皐月賞、ダービーと2着続きのエピファネイアは悲願のクラシック制覇を成し遂げられるのだろうか?

最大のネックは父

結論から言うと、私はエピファネイアが菊花賞で勝てないと思っている。

クラシック制覇を成し遂げる上で最大のネックとなるのが、「父シンボリクリスエス」という点だ。

シンボリクリスエス産駒は瞬発力もパワーもある程度のスタミナも持っている「万能型」が多い。しかし、その万能さゆえに決め手に欠け、上級クラスでは活躍馬を出せていない。

産駒で芝のGIを制したのはマイル路線のストロングリターンとアルフレードのみで、2000M以上のGIになると、その成績は散々なものだ。

シンボリクリスエス産駒GI成績
(0−2−0−32)
勝率0%
複勝率6%
単勝回収値0
複勝回収値11

ご覧のとおり、34頭が出走しているが、馬券になっているのは2回のみ。その2回がエピファネイアの皐月賞とダービーなのだから、彼は例外ではないかという気もするが、この数字を見ても単勝1倍台の馬を本命で買えるだろうか?

少なくともシンボリクリスエス産駒は芝2000M以上のGIで勝つための底力に欠けている。これは動かしようのない事実だ。

シンボリクリエンスの距離適性

さらに付け加えると、シンボリクリエンス産駒は長距離レースに向いていない

そもそもシンボリクリエンスは競走馬時代、菊花賞と天皇賞春を、距離適性を考慮してパスしている。長距離もこなせたかもしれないが、少なくとも中距離以上の適性はないのだ。

実際、シンボリクリエンス産駒の3000M以上の成績を見てみると、適正のなさは明らかになる。

シンボリクリエンス産駒
芝3000M以上における成績
(1−2−2−18)
勝率4%
複勝率22%
単勝回収値30
複勝回収値40

成績はとても低調だ。しかも、馬券圏内に来ている馬はモンテクリスエスただ1頭。それ以外の8頭は、すべて馬券圏外に敗れている。しかも(人気がなかったとはいえ)すべて2桁着順に沈む体たらくっぷりだ。

まとめると、シンボリクリエンス産駒の距離適性はマイルから2000Mであり、菊花賞への適正はないと考えられる。さらに踏み込んでいえば、菊花賞で求められる「一定のスタミナ」すら持ち合わせていない可能性がある。少なくとも本質的に(馬場が相当向かない限り)芝2000M以上のGIで勝ちきれる底力はない。

最近トレンドになりつつある母父スペシャルウィークは強調材料だが、それにしてもシンボリクリスエス産駒の芝2000M以上のGIにおける成績は(0−2−0−32)。この数字を見れば、エピファネイアを本命にすることがいかにギャンブルか、お分かりいただけるだろう。

では、どういった血統の馬を買っていけばいいのか? 菊花賞における好走血統を、一足早く公開しておこう。

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次回は「菊花賞の血統面」について考察していく。乞うご期待!