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今年の安田記念は豪華なメンバーがそろっている。カレンブラックヒル、グランプリボス、サダムパテックなどのGI馬はもちろんのこと、ダイワマッジョーレやショウナンマイティといった実力馬も参戦。

そんな中で最も注目を集め、1番人気確実といわれるのが、“世界のスプリント王”ロードカナロアだろう

高松宮記念、スプリンターズSを連勝し、昨年末には香港スプリントを制覇。同レースは中距離で言えば凱旋門賞のようなもので、そこを制したのだから実力は飛び抜けている。安田記念でも1番人気に支持される可能性が高い。

では、ロードカナロアは安田記念で勝てるのか? それはこれから検証していく中で結論を出すとして、今日は一つの血統的データを紹介しておこう。

ロードカナロアを読み解く上での一つの注目点は「距離を克服できるのか」だ。実際、マイルはキャリア2戦目で1回走ったのみ。しかも2着に敗れている。前々走の阪急杯で1400mも対応可能であることを証明したが、マイルはどうなのか。

そこでキングカメハメハ産駒のデータを見てみると、ロードカナロアにとって嫌なデータが浮上してくる。基本的にマイル戦を得意としているキングカメハメハ産駒だが、ローテーションという観点から見ると、距離短縮が圧倒的にいい。

距離延長
勝率 8.1%
複勝率 26.8%
単勝回収値 72
複勝回収値 92

距離短縮
勝率 14.1%
複勝率 41.2%
単勝回収値 88
複勝回収値 109
※単勝50倍以上は除外

今回、ロードカナロアのローテーションは距離延長。しかもスプリント戦からとなると、さらに分は悪くなる。

1200mからの距離延長組の成績は、なんと(0−4−2−15)で1頭も勝ち馬が出ていない。スプリンターズSからマイルチャンピオンシップに参戦して2着に好走したフィフスペトルの例もあるが、同馬の場合は1800mでの勝ち鞍があるなど、ロードカナロアよりも距離実績があった。(どちらにしても勝ててはいない。)

世界のスプリント王とはいえ、安田記念では厳しい戦いを強いられることは間違いなさそうだ。