前回の検証ではサンデーサイレンス系が安田記念で不振だということをお伝えした。
では、なぜSS系は不振なのか? その理由は、安田記念のレースラップを見れば明らかになる。
2012年
12.2 – 10.7 – 10.9 – 11.1 – 11.4 – 11.3 – 11.8 – 11.9
2011年
12.3 – 10.7 – 10.9 – 11.5 – 11.6 – 11.2 – 11.6 – 12.2
2010年
12.0 – 10.7 – 10.9 – 11.3 – 11.4 – 11.3 – 11.7 – 12.4
過去3年だけ記したが、ご覧のとおりほとんどラップが緩まない。スタートから一気に加速し、2、3ハロン目は10秒台を記録。普通のレースならここから緩んでラスト3ハロンでペースが上がっていくところだが、安田記念ではそうはならない。
4、5ハロン目でも大きく減速することはなく、そのままのスピードでゴールへ突入する。ただ、さすがに究極のスピードを持続していくことは難しいので、最後の1ハロンで失速する。
つまり、安田記念とはスピードの持続力と、最後1ハロンいかに我慢できるかという底力を要求されるレースなのだ。
SS系はレース中盤で脚をためて、瞬発力を生かして上がり3ハロンで一気に加速する、といったレースを得意とする。
しかし、安田記念は中盤で脚がタメられないため、瞬発力を生かしたレースができない。
だからこそ、SS系が大不振なのだ。今年もエーシントップやシルポートなど、前へ行きたい馬がいるため、例年どおりのレース質になる可能性が高い。よって、瞬発力が持ち味のSS系は疑っていくのが妥当である。