今回は2015年の札幌記念の考察をしていきたいと思います。

焦点を当てるのは函館記念組についてです。同じ洋芝の函館で行われた重賞で好走した馬たちをどのように扱えばいいのでしょうか。

取捨選択をする上で重要な要素なので、しっかり考えていきましょう。

函館記念組不振の理由

結論から言うと、函館記念組は札幌記念でほとんど走れていません。

過去10年の成績はというと(1−1−3−39)で複勝率わずか11%しかありません。

まぁローカルのハンデGIIIと、別定戦のGIIですからね。そもそも出走馬のレベルが違うため、「当たり前だろ」って話なんです。が、それ以上に大きいのが血統的な側面なんですよ。

函館記念と札幌記念では好走するために求められる要素が全く違います

札幌記念は昨日の検証に書いた通り、王道血統が走るレースです。

一方の函館記念はスタミナがあるローカル血統が躍動するレースです。以前、メルマガで函館記念について書いたので、その記事を抜粋して紹介しましょう。

函館記念で強調できる血統といえば、最高のサンプルがあります。それは……

エリモハリアー

2005年から2007年にかけて、函館記念で3連覇を成し遂げた馬ですね。

エリモハリアーは父ジェネラス、母父ブレイヴェストローマンという血統をしています。

ジェネラスはイギリスダービー、アイルランドダービー、そしてキングジョージを制した欧州の歴史的な名馬の1頭です。

イギリスダービーでは2着に5馬身差、アイルランドダービーでは3馬身差、さらにキングジョージでは7馬身差をつける圧巻のパフォーマンスで次々にGIを勝っていきました。

ブレイヴェストローマンは大した競走成績を残していませんが、父のネヴァーベンドは欧州3冠馬のミルリーフを輩出。さらに母母父のヴェイグリーノーブルは凱旋門賞馬です。

つまり、エリモハリアーはイギリスダービー、キングジョージ、凱旋門賞を制した馬たちの血……言い換えれば「欧州3冠の血」が凝縮された馬だったのです。

以上。要するに函館記念はとにかくスタミナが必要なレースなんです。

札幌記念→王道血統/出走馬のレベルが高い

函館記念→スタミナ血統/出走馬のレベルが低い

出走馬のレベル差があることに加えて求められる適正が全く違うんですから、そりゃ函館記念組(特に好走馬)は札幌記念で走らないですよね。

では、函館記念組ながら好走した馬はどんな馬だったのか。見てみましょうか。

アクシオン
サクラオリオン
タスカータソルテ
フィールドベア
サクラメガワンダー

まずアクシオンは父サンデーサイレンスという王道血統、フィールドは父がフジキセキでした。どちらも重たい血統ではなかったということです。

タスカータソルテは父ジャングルポケット。比較的重たい血統です。ただ、この馬自身が芝の軽い京都記念を勝つような馬でした。そもそも函館記念で負けていたわけで、札幌記念のほうが合うような馬キャラをしていたということです。

サクラオリオンとサクラメガワンダーはまぁ重ための血統なので、全く走らないわけではないですが、確率に換算すると相当低い。

では今年の函館記念組はどうかというと……

ダービーフィズ
ハギノハイブリッド
ヤマカツエース

3頭が出走予定。今年の函館記念は馬場がかなり悪かったので、そこで好走したというのはプラス材料ではないですね。よって、基本は軽視でOKでしょう。

そんな中でもし買うとすればこの馬ですかね。

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血統がそこまでズブズブのスタミナ血統でないことと、馬キャラ的に可能性を見出だせなくもない。他の2頭はいらないでしょうから、一応ここは警戒しておきたいですね。