2014年を締めくくる“グランプリ”有馬記念。春秋制グランプリ制覇を目指すゴールドシップやジャパンカップの好走馬エピファネイアやジャスタウェイといった強豪馬が参戦した中、勝ったのは“女傑”ジェンティルドンナだった。

2015年の的中につなげるために、しっかりと回顧を行っていこう。

中山10R 有馬記念/勝負度C

◎15 ジャスタウェイ → 4着
○10 フェノーメノ → 10着
▲06 トゥザワールド → 2着
☆03 ワンアンドオンリー → 13着
△07 ラストインパクト → 7着
△13 エピファネイア → 4着
△14 ゴールドシップ → 3着

レース内容

逃げ馬らしい逃げ馬がヴィルシーナのみ。予想通り、ヴィルシーナが逃げ、エピファネイア、ジェンティルドンナといった有力馬がこれに続く。ゴールドシップやジャスタウェイは後方に位置取った。

ペースはどんどん落ち着いていき、6ハロン目にはなんと13.6秒まで落ちる超スローペースに。そこから3ハロンは13秒台のラップが続いた。

7.0-11.8-12.3-12.6-12.5-13.6-13.2-13.0-12.3-12.4-11.5-11.2-11.9

ラスト1000mから徐々にペースが上がりだし、3コーナーでエピファネイアが早々にヴィルシーナを捉えると、ジェンティルドンナ、ラキシス、ゴールドシップらも進出を開始。直線に入ると粘るエピファネイアをジェンティルドンナが差し、好位にいたトゥザワールドが強襲。ゴールドシップとジャスタウェイも外から迫り、ゴール前は大混戦となったが、ジェンティルドンナが凌ぎ切ってラストランを勝利で飾った

2着にはトゥザワールド、3着にはゴールドシップが続き、ジャスタウェイは4着、エピファネイアは5着に終わった。

血統評価

ジェンティルドンナの勝利は驚きだった。勝因はなんといってもペースであるわけだが、何よりこの名牝のレースセンスの高さが光った。抜群のスタートから好位を追走し、自分から動いていって上がりをまとめられる。自在性の高さこそ、ジェンティルドンナの強みであり、その長所が遺憾なく発揮されたレースだった。

ディープインパクト産駒は中山芝2500m初勝利。初勝利を有馬記念で飾るあたりがスター種牡馬らしい。

もっとも、今回の有馬記念は中山芝2500mらしからぬレースだった。なぜなら、瞬発力と位置取りが重要なレースとなったからだ。瞬発力と位置取りが重要なレースといえば、秋古馬3冠の2戦目、ジャパンカップ。上位入線馬の種牡馬を見てみると、今回がジャパンカップだったのではないかという錯覚に陥る

1位 ディープインパクト産駒
2位 キングカメハメハ産駒
3位 ステイゴールド産駒
4位 ハーツクライ産駒
5位 シンボリクリスエス産駒

ご覧のとおり、クラシック血統のディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒のワンツー。キレ味で劣るステイゴールドやハーツクライ、シンボリクリスエスが3〜5位を占めたというあたりが、レースの本質を示している。

今年はジャパンカップが道割になったため、有馬記念で台頭するような地力血統(シンボリクリスエス、ハーツクライ)がディープインパクト産駒を抑えて上位に入った。

反対に有馬記念はスローペースになりすぎたため、ジャパンカップで台頭するような瞬発力血統(ディープインパクト、キングカメハメハ)が上位を占めたわけだ。

そう考えれば納得がいく結果だし、それ以外の答えを導くことは難しい。

超スローペースになったことで瞬発力血統が台頭した

それが2014年を締めくくるグランプリ有馬記念の“真実”だった。

来年への教訓

まず、スローペースになる可能性が高かった場合、瞬発力血統の台頭を考慮する必要がある。

また、今年改めて思い知らされたのが、「余力の重要性」だ。

ジェンティルドンナ、トゥザワールド、ゴールドシップはもちろん、6位のラキシスまで含め、上位馬は「秋3戦以内」だった。

一方、過酷過ぎるローテで参戦したワンアンドオンリーや、夏場から走り続けたラストインパクトらは下位に沈んでいる。特にワンアンドオンリーはダービー馬でハーツクライ産駒だ。力があって、血統的に合っていても、余力がなければ有馬記念で走ることはできない。

そのことを肝に銘じておきたい。

より詳細な回顧は、メルマガで行う予定。敗因や各馬の評価に言及する。

なお、年が明けてすぐに東西で金杯が行われる。

中山金杯、京都金杯の注目馬を挙げておこう

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