今回はチャレンジカップに出走するエイシンヒカリについて考えていきたい。

デビュー以来、5戦5勝、いずれも圧勝という成績で“サイレンススズカの再来”という声もちらほら出てきている。前走のアイルランドトロフィーでは直線での“斜行”が話題になった。

そんな怪物級かもしれない逃げ馬をどう捉えていけばいいのか?

エイシンヒカリの能力

まず、近3走のレースラップを見ていこう。すべてのレースで逃げているため、このラップはエイシンヒカリ自身が刻んだものになる。

アイルランドトロフィー
13.2 – 11.3 – 11.3 – 11.0 – 11.4 – 12.0 – 12.3 – 11.4 – 11.6 – 12.8

ムーンライトH
12.9 – 11.0 – 12.5 – 12.2 – 11.7 – 12.0 – 11.8 – 11.5 – 11.8 – 12.2

三木特別
12.7 – 11.7 – 12.5 – 12.8 – 12.8 – 12.5 – 11.1 – 10.5 – 11.2

アイルランドトロフィーとムーンライトHは比較的淡々とした流れを作り、後続に脚を使わせて逃げ切り。一方、三木特別では中盤でためて、上がり3ハロンの瞬発力で勝っている。

どんなレースでもできる逃げ馬ということ。言い換えれば、普通に強い。あっさり重賞を勝ってもおかしくないくらいの能力は秘めている。

チャレンジカップの特徴

では、チャレンジカップはどんなレース質になるのか? レースの特徴と出走メンバーから考えていこう。

レースの特徴

チャレンジカップに限らず、阪神芝1800mで行われる重賞は差し馬に有利な流れになりやすい

2009年以降に行われた阪神芝1800mの重賞における脚質別の成績を見てみよう。

阪神芝1800m重賞│脚質上り別集計
脚質上り 着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
平地・逃げ 0- 0- 1- 19/ 20 0.0% 5.0% 0 34
平地・先行 4- 3- 5- 57/ 69 5.8% 17.4% 15 56
平地・中団 13- 10- 10- 89/122 10.7% 27.0% 111 121
平地・後方 3- 7- 4- 75/ 89 3.4% 15.7% 14 63

集計期間:2009. 3.28 ~ 2014. 9.21

ご覧のとおり、差し馬の成績が抜けている。極端な後方一気は決まらないが、中団につけて上がりをまとめるタイプの馬が一番強調できる。

この傾向はチャレンジカップ(3年前以前は鳴尾記念)でも同じ。

過去5回の脚質別の成績を見てみると……

チャレンジカップ│脚質上り別集計
脚質上り 着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
平地・逃げ 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0 0
平地・先行 1- 0- 1-15/17 5.9% 11.8% 22 17
平地・中団 4- 2- 3-22/31 12.9% 29.0% 162 118
平地・後方 0- 3- 1-17/21 0.0% 19.0% 0 78

集計期間:2009.12. 5 ~ 2013.12. 7

ご覧のとおり、逃げ・先行馬にとっては厳しい結果となっている。1番人気2頭を含む11頭が5番人気以内に支持されたが、馬券に絡んだのは2頭のみだ。

レースの特徴としては「差し馬有利」と考えておきたい。

メンバー構成

今回はエイシンヒカリ以外にも逃げ、先行馬が揃っている。

特にクラシックの皐月賞で逃げて馬券に絡んだウインフルブルームは強力な先行馬だし、バッドボーイも近走安定している。

少なくともエイシンヒカリが楽に逃げられる展開にはならないと考えたほうがいいだろう。それなりに流れるペースを想定しておきたい。となると……

レースの特徴→差し馬有利

想定ペース→フラット〜ハイペース

こう考えると、前に行く組が簡単に残れるような展開にはならないと考えるのが妥当だろう。

血統的期待値

展開的にネガティブな予想を立てられるエイシンヒカリであるものの、マイナス要素ばかりが揃っているわけではない。例えば、血統的な上積みを期待できる

ディープインパクト産駒は前走の東京芝2000mより阪神芝1800mのほうを得意としている。特に母系が米国ダート血統のディープ産駒は、この傾向が顕著だ。(エイシンヒカリは母父ストームキャット=米国ダート血統)

2つのコースにおける成績を比較してみよう。

阪神芝1800m
着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
4- 2- 4- 7/17 23.5% 58.8% 171 159

集計期間:2011. 3.26 ~ 2014.12. 6

東京芝2000m
着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
3- 0- 1- 9/13 23.1% 30.8% 36 46

集計期間:2011. 4.23 ~ 2014.11.30

※母父米国ダート血統(ヴァイスリージェント系、ストームキャット系)
※1000万条件以上

ご覧のとおり、明らかに阪神芝1800mを得意としている。エイシンヒカリ自身、この条件で勝っているため、上積みを見込むことは可能だ。

まとめ

まとめると、エイシンヒカリは展開的に恵まれることはなさそうだが、血統的な上積みは見込めそう。プラスファクターとマイナスファクターが混在しているわけだ。

普通に買える馬だとは思う。ただ、圧倒的な1番人気に支持された場合、(単勝という意味で)そこまで信頼性が高いとは言えないのではないだろうか。

なお、そんなチャレンジカップで注目しているのはこの馬だ。

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父は非サンデー系で日本ではマイナーな血統だ。長距離血統というわけではないが、この馬自身が距離をこなしているし、父の産駒からは中距離で活躍する馬も出ているため、問題ないだろう。面白い1頭と言えそうだ。