今回は東京スポーツ杯2歳ステークスの検証を行っていこう。
前回の検証で書いたように、東スポ杯2歳Sはクラシックにつながる重要な2歳重賞だ。言い換えれば、クラシックで走るようなタイプの馬を探すことが重要になる。
そこで、今回は世代屈指のエリートを見つけ出す方法を教えよう。
1.末脚が必要不可欠
クラシックで走れる馬を見つけるためには、日本の競馬における「強い」の定義を知っておく必要がある。日本の競馬における「強い」の定義とは……
東京競馬場のGIで勝つこと
言い換えれば……
鋭い末脚を持っているかどうか
という点に尽きる。
日本で最も権威あるレースといえば日本ダービーやジャパンカップだろう。この両レースが行われるのが東京競馬場であり、ここで勝てる馬こそ、真の名馬といえる。だから、直線の長いコースで瞬発力を使えるかどうかが大きな判断基準となる。
そもそも日本の馬場は全般的に軽いスピード馬場のため、世代屈指の末脚を使えないようならクラシックで通用しない。
東スポ杯2歳Sでも瞬発力が重要なファクターになる。だからここではしっかりした末脚を使えるという裏付けがほしい。そもそも新馬や未勝利で速い上がりを使えないような馬はクラシックで通用しない。だからここでは前走の上がり順位に注目していこう。
前走上がり2位以内(8−7−10−68)
前走上がり3位以下(2−2−0−41)
ご覧のとおり、差は歴然だろう。基本的には前走上がり2位以内の馬でないと通用しないのだ。ちなみに上がり3位以下ながら好走した4頭を見てみよう。
ナカヤマフェスタ
ブレイクランアウト
メイショウサムソン
スムースバリトン
メイショウサムソンは前走の萩ステークスを除けば、すべて上がり3位。前前走の野路菊ステークスでは上がり1位で快勝している。
スムースバリトンはキャリア4戦すべてで上がり3位以内。新潟2歳ステークス、いちょうステークでも上がり3位を使い馬券に絡んでいる。
ブレイクランアウトは新馬戦で33.4秒で上がり1位を記録。上がり2位に0.4秒差をつける秀逸な末脚を披露していた。
ご覧のとおり、前走上がり2位以内の脚を使えなかった馬も上がり実績を持っていた。ナカヤマナイトのみ、そういった実績はなかったが、同馬は宝塚記念を制し、凱旋門賞で2着になったほどの馬だ。絶対能力の高さが、末脚を補ったといえる。
もっとも、やはり上がり2位以内の脚を使った馬を重視するのがベターだろう。前走上がり3位以下だったのは……
グァンチャーレ
ディアコンチェルト
ペガサスボス
マイティティー
マイネルシュバリエ
この馬たちはよほどのプラス要素がない限り、厳しいと言わざるを得ない。
2.格式高い中央4場
東京、中山、阪神、京都。中央4場と呼ばれる競馬場には強い馬が集まる。能力が高くなければここで勝ち負けするのは難しい。
調教師たちもそのことは十分分かっている。だから素質馬、実力馬は積極的に中央4場で使い、力が劣る馬はローカルで使われることが多い。よって……
中央で使われる馬=強い馬
ローカルで使われる馬=弱い馬
という図式が成り立つ。東スポ杯はクラシックにつながる舞台だ。当然、強い馬でなければ走ることはできない。実際、過去10回の前走の場所別の成績を見てみよう。
前走中央4場(9−7−10−72)
前走ローカル(1−2−0−37)
ご覧のとおり、前走ローカル組にほとんどチャンスはない。夏にデビューを迎えて中央4場で開催がなかったというのならまだしも、秋になってからもローカルで使われるような馬には期待をかけられないのだ。
では好走した3頭が走れた理由を探っていこう
コディーノ
スズジュピター
フライングアップル
この3頭に共通しているのは「2勝馬」だったこと、しかも「連勝」で出走してきているという点だ。コディーノは前走札幌2歳ステークスで勝利。スズジュピターはデビュー2戦2勝、フライングアップルはデビュー戦こそ取りこぼしたが、以降は連勝で駒を進めてきている。
「ローカルでは敵なし」
このくらいの実績がないと、中央4場で使われてきた馬たちと戦うことはできない。
今年は中山競馬場が改修工事のため、新潟開催となっているため、ややイレギュラーである。ただ基本的には中央4場勢を高く評価したほうが期待値は高いのだ。
3.順調なキャリア
どんなに素質がある馬でも順調に使われて来なければ、レベルの高いレースで好走することは難しい。
より具体的に言えば、レース間隔が詰まりすぎているのも、空きすぎているのも良くない。
間隔2週以内(0−1−0−13)
間隔10週以上(1−1−0−20)
ご覧のとおり、ほとんど馬券に絡めていないわけだ。例外は3頭。
レッドレイヴン
コディーノ
スズジュピター
この3頭には明確な共通点がある。それは……
・連勝中
・人気馬
コディーノは1番人気、スズジュピターは3番人気に支持されていた。戦績は前述のとおり。
レッドレイヴンはデビュー2連勝、しかも前走は同じ東京芝1800mの百日草特別を0.3秒差で勝っている。当日は3番人気に支持されていた。
このくらい素質と能力を持った馬でないと、不利を克服することはできない。
アヴニールマルシェ
ディアコンチェルト
ペガサスボス
マイネルシュヴァリエ
アヴニールマルシェとマイネルシュヴァリエは前走重賞で2着になっているため、一考の余地はある。ただ、このローテーションが強調できるというわけではないことは覚えておきたい。
まとめ
・前走上がり2位以内
・前走中央4場
・間隔3〜9週
この3つの条件が、東スポ杯2歳Sで走るための最低条件だ。
今回挙げた3つのポイントを考慮した上で現時点で本命候補を挙げるとしたらこの馬になる。
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前走はローカルであるものの、連勝で歩みを進めてきているため、例外と見ていいだろう。その他の条件はクリアしている。有力馬の1頭と考えて良さそうだ。