前回の菊花賞の検証ではワンアンドオンリーについて取り上げた。
ということで今回は2番人気に支持されることが濃厚なトゥザワールドに関する検証を行っていこう。
結論から言えば、私はトゥザワールドを軽視したいと考えている。
その理由はもちろん、血統にある。
トゥザワールドが買えない理由
トゥザワールドは“血統的欠陥”を抱えている。GIを勝つのが極めて難しい“血の宿命”と言い換えてもいい。
このブログの読者の方なら耳タコかもしれないが……
父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンス
の配合馬には、
GIで勝つために必要な底力が備わっていない
のだ。
現在の日本の芝中距離路線は世界的に見てもレベルが高い。グレードの高いレースになればなるほど底力が問われる傾向にあり、淡泊な血統が勝つことは極めて困難になっている。
キングカメハメハはダービーを制している。しかし、NHKマイルカップで圧巻のパフォーマンスを見せたように、マイル適性の高い種牡馬でもある。
実際、ロードカナロアやアパパネ、ローズキングダムがマイルGIを制している。
そしてサンデーサイレンスは瞬発力血統だ。母父として底力を供給する傾向にあるものの、基本的にはスピード血統である。だからキングカメハメハの底力不足を補いきれないのだ。
実際、キングカメハメハ×サンデーサイレンスの配合馬のGIにおける成績を見てみよう。
(2−4−7−52)
勝率3%
複勝率20%
単勝回収値17
複勝回収値76
ご覧のとおり、勝利数はわずかに2つ。ローズキングダムが2勝したのみだ。
しかもこの勝利も“いわくつき”といえる。
1勝目は2歳GIの朝日杯FS。もう1勝はジャパンカップだった。そう、ブエナビスタが降着したレースである。
つまり、キングカメハメハ×サンデーサイレンスの配合馬は60頭以上が出走しているにもかかわらず、3歳以上のGIで1着でゴール板を駆け抜けたことがないのだ。
ローズキングダム
トゥザグローリー
コディーノ
トゥザワールド
この辺りの馬たちはクラシック時から期待されていたが、ビッグタイトルを取ることはできなかった。(※ローズキングダムのJCは事実上2着のため、除外)
ローズキングダムの菊花賞は1000万条件にも満たないような低レベルなメンバー構成だった。しかし、勝ち切ることはできなかった。
トゥザグローリーは菊花賞と同じ京都の長距離GI、天皇賞春で1番人気に支持されたが、結果を出すことはできなかった。
そう考えると、2番人気濃厚のトゥザワールドを(少なくとも頭で)買うことは“究極のハイリスクローリターン”といえるのだ。
もちろん、こういったジンクスはいつか覆されるもの。それが今回になるかもしれない。ただ、これだけ顕著な傾向が出ているのだから、今のうちは従っておくべきだろう。トゥザワールドの評価はヒモ以上には上げられない。
では、どんな血統の馬を買えばいいのか? それはメルマガで詳しく書いていこう。
なお、この馬にも血統的な欠陥があるため、今回は静観したほうが良さそうだ。
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父は有馬記念馬、母父は菊花賞と天皇賞春を制しているため、いかにも人気になりそう。しかし、深く探っていくと、それほど買えないことが分かってくる。あまり手を出したい馬だとは思わない。