今回は菊花賞の枠順に関わるファクターを2つ紹介しよう。
菊花賞は京都芝3000mで行われる長距離GIだ。コーナーは6回。当然、コーナーで外を回れば回るほど距離ロスが生じる。したがって、単純に考えて、外枠から外外を回されるのは好ましいことではない。
では、実際にはどうなのだろうか?
結論から言えば、内枠が有利なのは間違いない。
実際、菊花賞では1996年以降、1年の例外もなく、6番から内の馬が馬券に絡んでいる。
2013年
1着 エピファネイア(1番人気)
2枠3番
2012年
1着 ゴールドシップ(1番人気)
1枠1番
2011年
3着 トーセンラー(3番人気)
1枠1番
2010年
1着 ビッグウィーク(7番人気)
3枠6番
2009年
1着 スリーロールス(8番人気)
1枠1番
2着 フォゲッタブル(7番人気)
2枠3番
2008年
2着 フローテーション(15番人気)
1枠1番
3着 ナムラクレセント(9番人気)
3枠5番
近年だけみても、これだけの馬が馬券に絡んでいる。
ゴールドシップやエピファネイアといった人気馬だけでなく、フローテーションやビッグウィークといった穴馬も激走しているのだから、信ぴょう性は高い。
さらにもうひとつ面白いファクターを紹介しよう。
菊花賞の最重要前哨戦といえば神戸新聞杯だ。神戸新聞杯組が以下の条件を満たすと、信頼性はかなり高くなる。
・前走神戸新聞杯
・馬番6番以内
・当日一桁人気
◆人気別集計
前走レース名:神戸新聞G2
集計期間:2004.10.24 ~ 2013.10.20
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着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
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4- 1- 3- 6/14 28.6% 35.7% 57.1% 194 161
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なんと、複勝率は6割近く、回収値も秀逸だ。
ビッグウィークやナムラクレセント、アドマイヤジャパンといった穴馬が激走している。
神戸新聞杯組で上位人気に支持される馬が内枠に入った場合、信頼性の高い軸馬となるかもしれない。
外枠に入った馬の好走条件
では、外枠に入った馬の“取捨選択”はどうすればいいのか?
実は、明確な答えが存在する。
まずは過去10回の菊花賞における枠順別の成績を見てみよう。
◆枠番別集計
集計期間:2004.10.24 ~ 2013.10.20
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枠番 着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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1枠 2- 1- 2-15/20 10.0% 25.0% 103 110
2枠 1- 1- 2-16/20 5.0% 20.0% 8 51
3枠 1- 2- 2-15/20 5.0% 25.0% 116 99
4枠 1- 0- 0-19/20 5.0% 5.0% 5 5
5枠 1- 1- 1-17/20 5.0% 15.0% 42 33
6枠 0- 1- 2-17/20 0.0% 15.0% 0 95
7枠 2- 3- 1-23/29 6.9% 20.7% 17 44
8枠 2- 1- 0-26/29 6.9% 10.3% 307 73
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思ったほど、内と外の差がない。内枠の方がいいものの、顕著な傾向が出ているとはいえない。
ただ、ここには“からくり”がある。
5枠より外の馬たちが前哨戦でどのような競馬をし、菊花賞でどんな成績だったのか、見てみよう。
◆前走脚質別集計
集計期間:2004.10.24 ~ 2013.10.20
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前走脚質 着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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平地・逃げ 0- 0- 1-10/11 0.0% 9.1% 0 28
平地・先行 3- 2- 3-33/41 7.3% 19.5% 238 111
平地・中団 1- 4- 0-31/36 2.8% 13.9% 3 25
平地・後方 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 37 17
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お分かりだろうか? 前走先行した馬たちが本番の菊花賞で結果を出している。一方、中団、後方から競馬をし、菊花賞に臨んできた馬の回収値は極端に低い。
前哨戦で中団、後方から競馬をした馬たちを並べてみると……
スカイディグニティ(5番人気2着)
オルフェーヴル(1番人気1着)
ウインバリアシオン(2番人気2着)
ローズキングダム(1番人気2着)
オウケンブルースリ(1番人気1着)
ドリームパスポート(2番人気2着)
見てお分かりの通り、スカイディグニティを除き、1、2番人気だった。
つまり、外枠に差し馬が入ってしまった場合、よほど抜けた実力がない限り、好走は困難なのだ。
・外枠から買うなら前走先行した馬
・外枠の差し馬は基本的に軽視
これが菊花賞の基本スタンスといっていいだろう。
となると、外枠に入ってしまったこの馬が巻き返すのはかなり厳しい。
その馬の名(I)は↓
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前走の神戸新聞杯でそこそこ走ったため穴人気する可能性もあるが、この枠では厳しいと言わざるをえない。