生産者にとってのクラシック
前回はオークスにおけるフローラSの取捨選択に関して検証した。
これで桜花賞、フローラSと主要ステップレースの分析を終え、どの馬が強調できるのかも見えてきたはずだ。
今回は別の角度か検証を行っていこう。ズバリ「生産者」というファクターである。
社台の運動会
表題にあるように、クラシックでは「社台の運動会」という表現がよく使われる。
クラシックというのは生産者にとって最も重要なレースだ。その年の有力馬が集まる舞台というのは、顧客である馬主に対して最大のアピールの場となる。ここで生産馬が走るか走らないかによって、来年、再来年の売り上げが全く変わってくる。
特に春のクラシック(中でも今の時期)はちょうどセレクトセールが行われ、馬主たちが若駒を見て歩く時期だ。
ダービーはもちろん、桜花賞や皐月賞、そしてオークスで好走した種牡馬の産駒に注目が集まることは間違いない。
だから、生産者にとって生産馬をクラシックで活躍させることは「至上命題」なのだ。
特に「生産界の帝王」である社台グループは力を入れている。
それは近年のクラシックのほとんどを社台系の馬が勝っていることで分かるはずだ。オークスでもその傾向は変わらない。
以下が過去5年のオークスで好走した馬たちの生産牧場である。
ノーザンファーム×6
社台ファーム×6
社台コーポレーション白老ファーム
高昭牧場
千代田牧場
ご覧のとおり、15頭中13頭が社台系の牧場で生産された馬だった。特にノーザンファームと社台ファームの強さは際立っている。
今年も有力馬はほとんどが社台系の生産馬であるため、上位を独占する可能性はかなり高い。
言い方を変えれば、社台以外の生産馬にチャンスは薄いということだ。
ということで、オークストライアルを制したとはいえ、馬主的な観点から見てもこの馬にチャンスはないに等しい。
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有力馬のほとんどが社台という状況で、この馬も含めて非社台の馬たちが台頭することは、決して簡単ではない。