脚質が勝負を分ける!?
前回は桜花賞のローテーションに関して検証した。
どのローテーションを選ぶかにより、かなり成績に偏りがあることが分かったと思う。
今回は別の角度から検証を進めていこう。キーワードは「脚質」である。
桜花賞の好走脚質
結論から言えば桜花賞では上がりのスピードがとても重要な要素になる。
以下は過去5年の上がり順位別の成績と、4コーナーで先行した馬の成績である。
◆上がり3F別集計
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着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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1〜3位 4- 3- 2- 7/16 25.0% 56.3% 174 127
4位以下 1- 2- 3-68/74 1.4% 8.1% 3 46
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◆4角位置別集計
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4角位置 着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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3番手以内 0- 1- 1-15/17 0.0% 11.8% 0 50
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まず上がり3F別の集計だが、当然といえば当然だが上がり3位以内の脚を使った馬が圧倒的に良い成績を残している。
より注目したいのが、4角3番手以内につけた馬の成績だ。17頭が該当していたが、この内馬券になったのはわずかに2頭だけだった。
・上がり3Fの順位が上位でなければ好走が困難
・4角3番手以内の好走率が低い
この2点から導き出せる答えは
桜花賞では先行粘りこみが期待できない
ということだ。
桜花賞は阪神芝外回り1600Mという本格派のコースで行われる。既に何度も書いているとおり、実力がなければ好走できないコース設定になっている。
直線が長く、急坂が待ち構えている舞台設定だけに、しっかりとした上がりでまとめられない先行馬に出番はない。それが、桜花賞の一つの大きな特徴といえる。
もう一つ興味深いデータを出しておこう。
過去5年、前走で4角2番手以内につけた馬の成績は以下の様なものになる。
◆前走4角別集計
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前走4角 着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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2番手以内 0- 1- 0-18/19 0.0% 5.3% 0 15
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ご覧のとおり、前走で先行した馬の成績が極端に悪い。
昨年の1番人気クロフネサプライズ(4着)や、2010年の2番人気アプリコットフィズ(5着)といった人気馬も含まれているが、好走したのはヴィルシーナのみだ。
ちなみにヴィルシーナは前走4角2番手につけていたが、上がり3位の脚を使っていた。それのみならず、キャリア4走すべてで上がり3位以内の脚を使っていた。つまり、先行馬ではあるが上がりを使える裏付けもあったということである。
逆に言えば、速い上がりを使える裏付けがない先行馬は好走の可能性がかなり低いということだ。
加えて、2回阪神の今開催の脚質別の成績を見てみよう。
◆脚質上り別集計
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脚質上り 着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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平地・逃げ 2- 1- 0- 14/ 17 11.8% 17.6% 107 37
平地・先行 5- 9- 8- 33/ 55 9.1% 40.0% 91 117
平地・中団 10- 4- 7- 43/ 64 15.6% 32.8% 147 85
平地・後方 2- 4- 3- 35/ 44 4.5% 20.5% 23 53
平地・マクリ 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 0 60
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◆脚質上り別集計
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脚質上り 着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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3F 1位 8- 4- 1- 8/ 21 38.1% 61.9% 290 187
3F 2位 2- 4- 4- 7/ 17 11.8% 58.8% 89 126
3F 3位 2- 2- 3- 6/ 13 15.4% 53.8% 54 109
3F ~5位 3- 6- 6- 24/ 39 7.7% 38.5% 113 99
3F 6位~ 4- 3- 4- 81/ 92 4.3% 12.0% 49 39
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まず注目したいのは逃げ馬の成績が低調だという点だ。
例年、この開催では逃げ馬が結果を残している。実際、3年連続で複勝回収値は100を超えている。
しかし、今年は明らかに差しが決まる馬場状態にある。例年以上に、先行馬の粘りこみを期待するのが難しそう、ということだ。
以上の検証から……
・上がり3ハロンをまとめられない先行馬は軽視
・速い上がりを使える好位〜中段の差し馬を狙う
この2つの姿勢を明確にしていきたい。
となると、速い上がりを使える裏付けがないこの逃げ馬は、好走が厳しいと言わざるをえない。
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