好走馬に共通するパワーの血
前回は好走するディープ産駒と凡走するディープ産駒から、弥生賞の血統傾向を探ってみた。
今回は、より具体的に弥生賞でどんな血統の馬が来ているのか、見ていくことにしよう。
過去の好走馬たちの血を振り返れば、今年の好走馬たちが必ず見えてくる。
キーワードはダートの血
昨日の検証の際、「スピードよりパワーで走るタイプのディープが好走する傾向にある」と書いた。
これは何もディープインパクト産駒に限ったことではない。
過去の好走馬たちを振り返ってみると、総じてパワーのある血統をしていたことが分かる。
例えば、好走しているサンデー系の種牡馬を見てみよう。
2013年
2着 ミヤジタイガ
父ネオユニヴァース
2011年
1着 サダムパテック
父フジキセキ
3着 デボネア
父アグネスタキオン
2010年
1着 ヴィクトワールピサ
父ネオユニヴァース
2009年
1着 ロジユニヴァース
父ネオユニヴァース
以上が過去5年で好走した馬を、その種牡馬だ。(※ディープインパクトは「ディープインパクト系」と区切るため、ここでは対象外。)
ネオユニヴァース
フジキセキ
アグネスタキオン
この3頭の種牡馬に共通しているのは、「ダート適性が高いサンデー系」という点だ。
まずネオユニヴァースはヴィクトワールピサやロジユニヴァースといったクラシックホースを輩出しているが、実は全体の勝ち鞍で見るとダートのほうが多い、という種牡馬である。
過去3年で言えば……
芝:139勝
ダート:170勝
重賞になると頭打ち、という産駒がほとんどだが、ダート適正自体は非常に高い。
そんなネオユニヴァース産駒が3頭も好走しているという事実は見逃してはならないポイントと言える。
フジキセキやアグネスタキオンもネオユニヴァースほどではないが、同じくダート適性が高い種牡馬である。フジキセキはダート王のカネヒキリを輩出しているし、アグネスタキオンの場合は芝ダート兼用という馬も多い。デボネア自身、未勝利ではあるがダート戦で3着に来ているような馬だった。
弥生賞にはステイゴールド産駒のフェノーメノやハーツクライ産駒のウインバリアシオン、ギュスターヴクライといった後の重賞ウィナーも出走していた。しかし、彼らは(この段階で力がなかったということがあるにせよ)好走できなかった。
ステイゴールドやハーツクライはダート適性が非常に低い。
ステイゴールド産駒は芝の重賞で51勝を挙げているが、ダートではわずか2勝。そもそもこれだけ多くの産駒がいて12頭しかダート重賞に出走したことがない。
しかもこの2勝にしても、不良馬場(=足抜きがよく、芝適正が高い馬に有利な馬場)でのものだった。もちろん、全体の芝とダートの勝ち鞍を比較しても、差は歴然である。
普通の芝重賞であれば、芝適正が高くてダート適性が低いサンデー系のほうが有利になることが多い。
しかし、弥生賞ではダート適性が低いサンデー系は苦戦傾向にある。その代わりに台頭してくるのが、豊富なパワーを持ったサンデー系というわけだ。
こういった違いを把握しておけば、母系も含めて、どういった血統の馬を買っていくべきなのか、分かるはずだ。
より詳細な血統考察はメルマガで配信したので(※バックナンバー購読可能!)、興味がある方はそちらを参考にしてほしい。
さて、弥生賞ではパワーのない馬は買えない。となると、父が芝寄り過ぎるこの馬は苦戦を強いられる可能性が非常に高いといえるだろう。
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