今回はエリザベス女王杯の「全頭診断」を行う。
これまで主に「ローテーション」、「古馬の好走条件」、「血統」といったファクターを説明してきた。
そのことも考慮した「総評」をお届けする。出走頭数多いため、今回は2回に分けてお送りする。今回は第1弾。
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週末の予想に直結する可能性が高く、内容は必見。最強の座を目指す牝馬たちを、紐解いていこう。
全頭診断その1
※馬名(血統評価A〜E)
※血統評価はあくまでも血統のみ見た評価であり、出走馬自体の評価ではありません
アロマティコ(B)
父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンスという血統。
父母父と母母父がノーザンダンサー系であるため、好走のための最低限の条件は満たしている。キングカメハメハ産駒のコース好走率も39%と優秀だ。
もっとも、その他の面で強調できない点は多い。まず切れ味が持ち味のアロマティコにとって「初の56キロ」は大きな負担になる可能性ある。斤量が重くなればなるほど、切れ味は鈍るもの。切れ味を削がれれば、他に武器はないだけにどうか。
また、2走前の新潟にしても「ハマった感」が強く、決して実力を反映したものではないと思われる。
新潟外回りはキングカメハメハが最も得意にしているコースの一つで、複勝率は39%、単複回収値はいずれも100を超えている。しかもここから昇級戦組を除けば、複勝率は50%近くに跳ね上がる。アロマティコはGIIIマーメイドSから参戦した降級組だった。
つまり、かなり条件が向いた上での勝利で、過剰に評価すべきではない。
おそらく人気にもなるだろう。騎手も含めて、あまり積極的に買いたい馬ではない。
ヴィルシーナ
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エディン(C)
父ジャングルポケット、母父タイキシャトルという血統。
3代以内にノーザンダンサー系のラインは1本だけ。エリザベス女王杯の好走血統に合致していない。母系にニジンスキーのクロスを持っているし、ジャングルポケット自体がタフな種牡馬なため、一方の余地はあるが、母父タイキシャトルというのもあまりピンとこないし、高い評価はできない。
前走準オープンをやっと突破したが、この時はハンデ戦で斤量は53キロだった。もちろん、56キロの克服歴はない。
藤田伸二騎手が乗る逃げ馬ということで、注意は必要であるものの、あまり魅力は感じない。
オールザットジャズ
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スピードリッパー(D)
父ファルブラヴ、母父サンデーサイレンスという血統。
父はノーザンダンサー系だが、ファルブラヴでは厳しいと言わざるを得ない。
ファルブラヴ産駒は長距離で穴を出すこともあるが、それは下級条件での話。ワンカラット、エーシンヴァーゴウ、アイムユアーズなど、短距離で活躍する馬を多く輩出していて、本質的にはマイル以下がベスト。
過去3年、京都芝2200Mでは5頭のファルブラヴ産駒が走っているが、馬券に来たのは未勝利戦のタニノシュヴァリエのみ。
昨年のエリザベス女王杯ではスマートシルエットが6番人気に支持されたが、16着と大敗している。(スマートシルエットは以前にもこのコースで1番人気に支持されたが、6着に敗れている。)
2走前を見ても分かるとおり、洋芝適性は高いが、京都の芝では厳しい。
セキショウ(D)
父シンボリクリスエス、母父サンデーサイレンスという血統。
3代以内にノーザンダンサー系のラインは1本のみで好走血統には合致していない。
しかも父はシンボリクリスエス。エピファネイアという怪物が出て「芝の長距離GIでは勝てない」というジンクスを打ち破ったとはいえ、エピファネイアは例外中の例外。
エピファネイアを除けば芝2000M以上のGIでの成績は散々なものだ。
シンボリクリスエス産駒GI成績
(0−2−0−33)
勝率0%
複勝率5%
単勝回収値0
複勝回収値10
斤量の面では恵まれているが、変える要素はない。
セレブリティモデル(C)
父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンスという血統。
ノーザンダンサー系のラインは1本のみだが、母母父はセントサイモン系で見どころはなくはない。
もっとも、単純に力的に厳しいだろう。
エリザベス女王杯は「好調馬」しか来ないレースだからだ。
http://jinkeiba.com/2013/1108/5431
ここで大駆けというのは考えづらい。
タガノイノセント(D)
父マンハッタンカフェ、母父ウッドマンという血統。
ノーザンダンサー系のラインは1本で、母父は消し血統のミスプロ系。特に見るべきものはない。
血統的に合わない準オープンクラスの6歳牝馬では単純に厳しい。
ディアデラマドレ
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ということで、最も買いたい馬はこの馬!
その馬の名は→
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次回も「全頭診断」をお送りする。乞うご期待!