今回は富士ステークスの検証をしていきましょう。

昨日は富士Sの好走馬の共通点について書きました。今日は有力馬の一角、クラリティスカイについて触れていきたいと思います。

というのも、この馬、血統面を見ると明らかに「ハイリスクローリターン」な馬だからです。



クロフネ産駒の呪縛

今回、人気の一角になりそうなのがクラリティスカイです。

NHKマイルカップを勝ったクロフネ産駒。東京マイルではいちょうステークスでレコードを叩き出していて、適性の高さを伺わせます。

「古馬に通用するのか?」という問題はあるものの、有力馬の1頭であることは明白です。

僕自身もともと評価していた馬ですしね。特に未勝利戦が秀逸でした。2歳の秋に阪神芝外回り1800mで1分46秒台を叩き出すというのは、尋常じゃありません。ちなみに2着はローズS3着のトゥザビクトリーでした。相手関係も悪くなかった中でライバルたちをぶっちぎったわけですから、後にGIを勝ったのも納得です。

じゃあ今回も買えるのか?

というのがポイントになると思うんですが、結論からいうと「買いたくない」というのが本音です。

前述のとおり、力はあります。通用してもおかしくない。

しかし、「血の呪縛」があるのではないかと感じています。

というのも、クロフネ産駒は歳を取るごとに距離の融通がきかなくなってくるんです。

一般的にクロフネはダート馬と考えられています。ジャパンカップダートの鮮烈な勝ちっぷりが印象に残っているからでしょう。

しかし、これは大きな間違いです。というのも、クロフネ(産駒)は芝のスプリンターなんです。

クロフネの代表産駒を見てみると……

フサイチリシャール 朝日杯FS1着
スリープレスナイト スプリンターズS1着
カレンチャン スプリンターズS、高松宮記念1着
ホエールキャプチャ ヴィクトリアマイル1着
クラリティスカイ NHKマイルカップ1着

ご覧のように、すべてスプリンター、もしくはマイラーです。歳を重ねるごとに適正距離が短くなっていく、というのが一般的な傾向といえます。

特に牡馬は傾向が顕著に出ています。3、4歳以上の重賞における距離別の成績を見てみると……

1400m以下(3−3−4−32)
1600m(0−0−1−17)
1800m以上(0−0−2−24)

1400m以下ではまずまずの成績を残しているのに対し、マイル以上ではいまだかつて連対したことがないんです。

さらにここで、マイル以上の重賞で馬券に絡んだ3頭を見てみましょう。

マデイラ 七夕賞 3着 福島競馬場
インパルスヒーロー 3着 ダービー卿CT 中山競馬場
ホワイトピルグリム 金鯱賞 3着 旧中京競馬場

この3頭に共通しているのは、開催地がすべて直線が短い小回りだったこと。

ちなみに距離を取っ払って調べてみても、(新潟の直千を除き)直線が長い東京や外回りコースで馬券に絡んだのは07年のスワンステークスにおけるフサイチリシャールのみ。

要するに「マイル以上がダメ」+「直線が長いコースがダメ」というわけですね。

そして、

これだけマイナスのデータが揃っている人気馬を買えますか?

という話なんです。

まぁクラリティスカイはクロフネ産駒の牡馬の中で一番強い可能性がゼロではないですから、ジンクスを打ち破る可能性は否定しません。ただ、馬券的には「ハイリスクローリターン」だと言わざるをえないんですね。

付け加えると、弟のクラリティシチー(父キングカメハメハ)にしても富士Sでは6番人気12着とボロ負けしてますし。

ということで、基本的にクラリティスカイは軽視しようかな、と思っています。買いたい材料もあるっちゃあるんですけどね。

なお、もう1頭、軽視したい人気馬といえばこの馬です!

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道悪になれば可能性あると思うんですが、良馬場だと要らないと思います。

期待値が高くない●●●●●●●産駒×米国ダート血統という配合なので血統が合わないですし、先週の馬場傾向が続くなら脚質的にも厳しいはず。

人気を吸い取って、華麗に消えてくれるのではないかと期待しています^^