今回は中山金杯で強調できないタイプの馬を紹介していこう。

歴代の好走馬を見ていくと、ある特定のタイプの馬が強調できないことが分かる。例えば“末脚”という点に着目してレースを見てみよう。

過去7回中好走回数ゼロの脚質

中山金杯で大きなポイントの一つとなるのが「脚質」だ。

中山の1月開催はタフで小回りという特殊な環境で行われる。特殊な環境で行われるということは、得意不得意の差が顕著に現れる。さらに言えばスペシャリストを生みやすい。

まずは歴代好走馬の「上がりタイム」と「上がり順位」を見てみよう。

馬名 上り3F 順位
オーシャンブルー 34.6 2
カルドブレッサ 34.7 4
ディサイファ 35.0 7
タッチミーノット 34.4 3
アドマイヤタイシ 35.0 10
ジャスタウェイ 34.5 4
フェデラリスト 34.1 2
ダイワファルコン 34.2 3
コスモファントム 34.7 9
コスモファントム 34.2 4
キョウエイストーム 34.1 2
ナリタクリスタル 34.2 4
アクシオン 35.1 3
トウショウシロッコ 35.1 3
トウショウウェイヴ 35.8 7

集計期間:2005. 1. 5 ~ 2014. 1. 5

気づいただろうか? 感の鋭い方ならピンときたことだろう。そういう方はここから先を読む必要はないため、別のページへいって頂いて構わない。

「どういうことか分からない」と思った方は、これから書くことをしっかりと頭に入れてみよう。

上がり1位が皆無

普通、芝の重賞で重要になるのは「瞬発力」であり、「上がり順位」だ。ラスト3ハロンで速い上がり順位を使った馬が上位に来るのはある意味当たり前の現象である。だから通常、芝の重賞で最も重要視するべきなのは、その馬が速い上がりを使えるかどうか、という点といえる。

しかし、中山金杯の歴史を見てみると、上がり1位の末脚を使って馬券に絡んだ馬が皆無なのだ。

上記の表は過去5回のものだが、過去7回まで振り返っても上がり1位はゼロ。

つまり、中山金杯では速い上がりがさほど重要ではない。もっと言えば、上がりに特化する競馬を得意にしているタイプ(瞬発力型差し馬)は、強調できないというわけだ。

4角の位置取り

そこで重要になってくるのが、4角における位置取りだろう。

速い上がりが求められないということは、ある程度好位につけて、上がりをまとめられる能力が求められる。

事実、過去4回の中山金杯の好走馬12頭中、11頭は「4角8番手以内」で競馬をしていた。

2012年に1番人気に支持されたジャスタウェイが唯一の例外だ。しかし、1番人気3着と人気を裏切っているところを見ても、この脚質が強調できないことは明白だろう。

まとめ

まとめると……

・上がり1位の馬は7年連続馬券圏外
・過去4回の好走馬12頭中11頭は4角8番手以内
→上がりに特化した瞬発力型差し馬はNG
→4角8番手以内につけて上がりをまとめられるタイプを評価すべし

ということになる。

パッと見、この強調できるタイプに合致しそうなのがこの馬だ。

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