今週は阪神ジュベナイルフィリーズを徹底的に検証していく。

ブエナビスタやウオッカ、アパパネといった歴史的な名牝が歴代勝ち馬に名を連ねるレースのポイントとはどこにあるのだろうか?

まずはこのレースから名牝が誕生する理由について考えていこう。

総合力が問われるコースと展開

阪神JFは阪神芝外回りの1600mで行われる。総合力が問われる舞台として知られていて、前述した名牝の他にもトールポピーなどの名馬が出ている。

ただ、必ず“名牝のためのレース”になるとは限らない。実際、過去4年の勝ち馬は後のGIで1度も勝てていない。

その理由はラップから探ることができる。例えば、勝ち馬が後にGIを制した年と、そうでない年の前後半800mのラップを比較してみよう。

◆勝ち馬が後にGI制覇
2009年(アパパネ)
47.3―47.6

2008年(ブエナビスタ)
47.3―47.9

2006年(ウオッカ)
46.3―46.8

◆その他
2013年(レッドリヴェール)
46.4―47.6

2012年(ローブティサージュ)
45.9―48.3

2011年(ジョワドヴィーヴル)
48.0―46.9

2010年(レーヴディソール)
48.5―47.2

前後半のタイム差に注目してほしい。

後に名牝となる馬が出た年は、前後半のラップ差が1秒未満。それ以外の年は1秒以上開いている。前後半のラップ差がない場合、総合力が問われる展開となる。

だから強い馬が勝つ。阪神芝外回り1600mで勝てる強い馬は、クラシックでも勝ち負けができる。

一方、前後半にタイム差があると、能力が偏った馬が勝つ傾向にある。

例えば後傾ラップになった場合、上がり3ハロンだけの競馬になり、スピード馬が勝ってしまう。しかし、軽いだけの馬はクラシックや古馬GIで通用しない。

一方、前傾ラップの場合、必要以上に底力が問われる展開になったことを意味する。クラシックで底力は必要不可欠だ。しかし、同時にスピードも重要である。底力に特化しすぎた馬は、クラシックでキレ負けしてしまう。

昨年は前傾ラップになり、底力が問われる展開になった。だから、ハープスターより底力があるレッドリヴェールが勝った。

しかし、桜花賞ではスピードが最も重要になる。だからキレ味の鋭いハープスターが勝ち、レッドリヴェールは底力が仇となってキレ負けしてしまったのだ。

一つ断っておくが、ラップが名牝を生み出すわけではない。アパパネやブエナビスタの年が総合力を問われる展開になったのは偶然の産物ということもできる。ただ、名牝は総合力が問われる展開で勝てる。そういう馬が名牝として歴史に名を残す

だから阪神JFではどのようなラップになるのかが大きな注目ポイントになるし、仮に総合力が問われる展開になった場合、勝ち馬は“名牝の資格”を手にしたことになる。その馬の将来に、大きな期待を寄せられるわけだ。そういった観点からも、楽しんでいきたいレースである。

では、今年はどのような展開になるのか? どんな点に注目していけばいいのか? 今後の検証で具体的に探っていこう。

なお、現時点で穴馬として注目しているのはこの馬!

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前走は短い距離を使っているため、ローテーション的には強調できない。ただ、走り方が完全に1400mの馬ではなかった。直線まで持ったまま、余裕のある走りで距離が伸びても良さそう。血統的にも合っている。

今年は2勝馬が多く、抽選になるわけだが、突破できれば穴候補として考えたい。