前回の関屋記念の検証では、有利に働くローテーションについて取り上げた。

スタミナが要求される関屋記念の本質を考えれば、どんなローテが強調できるのか、すぐにわかったと思う。

今回は関屋記念の舞台設定について、改めて考えてみたい。

真夏の別定戦

夏競馬が始まって以来、古馬重賞はほとんどがハンデ戦だ。

斤量により各馬の実力差が埋められるハンデ戦は、思わぬ大穴馬を生み出す。

七夕賞では10番人気のニューダイナスティが穴を開け、函館記念でも7、8番人気が馬券に絡んだ。そして中京記念では11番人気のミッキードリームを筆頭に、3頭すべてが人気薄の決着となり、3連単42万馬券が叩きだされた。

夏といえばハンデ重賞。ハンデ重賞といえば波乱。それが、夏競馬の一つの醍醐味だ。

しかし、関屋記念は「別定」で行われる。夏競馬でハンデ戦でないマイル以上の重賞は関屋記念とGIIの札幌記念のみである。

別定戦になるとどうなるかといえば、レベルの高いメンバーが集まりやすい。変に重たいハンデを背負わされる心配がないからだ。

実際、今年のメンバーを見ると、GIで馬券に絡んだダノンシャークを筆頭に、エキストラエンドやショウナンアチーヴといった春のGI戦線を戦ってきた馬たちが登録している。

そういう重賞だから、基本的に普通のハンデ重賞よりレベルは上がる。

そして、だからこそ、常識的な判断で無謀な馬を絞り込むことができる

例えば以下の「重賞で買いづらいな、と思う条件」と「関屋記念で強調できない条件」に一つも該当しない馬の成績を見てみることにしよう。

・11番人気以下
・前走2秒以上の負け
・連闘or半年以上の休み明け
・3歳&8歳以上
・前走ダート
・1〜4枠
・距離延長

◆該当馬成績
集計期間:2004. 8. 1 ~ 2013. 8.11
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着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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6- 8- 4-18/36 16.7% 50.0% 74 131
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ご覧のとおり、秀逸な成績を残している。重賞で強調できない条件を絞っていくという普通の作業をしただけなのに、複勝率50%、複勝回収値100以上というファクターが完成したわけだ。

今年もこういう「重賞で普通に走りそうな馬」がいたら、しっかりと馬券に加えておかなければいけない。

例えば上記の条件に該当せず、一桁人気に支持されることが確実なこの馬が外枠に入った場合、しっかりと馬券に加えておくべきだろう。

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