いよいよ今週末に迫った宝塚記念。なにやら天候が怪しく、荒れた馬場コンディションでの開催になりそうだが、それがまた一層競馬を面白くする。

今回は宝塚記念出走馬の「全頭診断」をお届け! 現時点での評価であるものの、週末の予想に直結するかもしれないため、ぜひチェックしておいてほしい。

1枠1番
ヒットザターゲット
母父がグレイソヴリン系のタマモクロスというのが魅力的。キングカメハメハ産駒ながら小回り巧者で、函館や小倉、福島で勝利実績がある点もプラス。ただレベル的にローカルGIIIがいいところだけに……。

2枠2番
タニノエポレット
セントサイモンやダンジグの血こそ持ち合わせないが、ニジンスキーのクロスや母母父グレイソブリン系といった部分は強調要素。ただいくら晩成型のダンスインザダーク産駒とはいえ、6歳で1600万をウロウロしているようなレベルでは……。

3枠3番
フェノーメノ
素晴らしいの一言。ドリームジャーニーやナカヤマフェスタが勝っていることでも分かるとおり、ステイゴールドは宝塚記念で最も強調できる種牡馬の一頭。なぜなら、母父のディクタスはこの時期、気候に最も合った馬だから、ステイゴールドもその血の影響を大きく受けている。

加えて母父はダンジグ系デインヒル、さらに5代目にはセントサイモン系リボーの血を持っている。完全に宝塚記念の好走血統に合致している。自在性があり、斤量も問題なし。非根幹距離重賞での勝利実績も豊富。不動の存在。

4枠4番
ダノンバラード
AJCCを勝っている点は強調できる。ただ58キロを背負った経験がないことに加えて、血統的には底力がない。父ディープインパクトは母系の良さを引き出す種牡馬だが、母父はアンブライドルド、母母父ヘイローといずれも軽い。宝塚記念に合っているとは言い難いだけに……。

5枠5番
シルポート
何が何でも逃げてくれる素晴らしいペースメーカー。今回もその役割を担うことは間違いない。ホワイトマズルや母母母父ダンジグというのは強調できる。まぁ普通に厳しいだろうが、馬場が荒れ、思い切って逃げた中でどれだけ粘れるのか。楽しみでもある。

6枠6番
トーセンラー
判断が難しい馬。ディープインパクト×ミスプロ系というのは基本的に軽く、京都巧者が多い。この馬も天皇賞春での激走や京都での重賞勝利などを見ても分かるとおり、完全に京都巧者で阪神は向かない。母母父サドラーズウェルズだけに全く適正がないわけではないが、そこまで強調できる要素があるかと言われれば疑問

6枠7番
スマートギア
実績としてはローカルGIII勝ちがあるのみで、能力的に足りないと見るのが妥当。ただマーベラスサンデーは高齢でも思い出したかのように激走するケースがある。母父パスドール、母母父ノーザンテーストと、血統面は悪くない。狙ってみたい気もする。

7枠8番
ナカヤマナイト
父ステイゴールドは最大の強調材料だが、母父カコイーシーズはいただけない。この馬、芝の重賞ではほとんど結果を残すことができておらず、GIの舞台では明らかに足りない。さらにナカヤマナイトは斤量敏感型の馬。これまで再三指摘してきたように、58キロだとパフォーマンスを落とす。穴人気しそうだが、積極的には買いたくないというのが本音。

7枠9番
ローゼンケーニッヒ
確実に穴人気するでしょうね(笑)。鋭い決め手はいくら1000万を勝ったばかりとはいえ、魅力的。ただシンボリクリスエス×サンデーサイレンスがこの舞台に合うのかは正直疑問。やや軽い印象。しかも前へ出して行きたいウィリアムズ騎手への乗り替わりは、決め手を持ち味をする同馬としてはマイナスなのでは?

8枠10番
ゴールドシップ
父、母父ともに昨年の勝ち馬、オルフェーヴルと全く同じ。母系にやや古臭さというか、ズブさがある点が違いとはいえ、適性は高いとみて間違いないだろう。また、有馬記念と宝塚記念は同じ非根幹距離レースのため、適性が似ていて、有馬記念の好走が宝塚に直結する傾向にある。有馬記念勝ち馬のこの馬はもちろん強調できる。あとは走るごとにズブさを増していく点がどう出るか。

8枠11番
ジェンティルドンナ
下記で書いたことがすべて。

ジェンティルドンナ、宝塚記念で勝てない? 海外遠征帰りの牝馬の成績は……

もちろん能力の高さに疑いの余地はないが、ローテーション、斤量面、実績(2200m以上の非根幹距離重賞で勝利なし)など、不安要素が多すぎる。母父ダンジグ系というのはプラス要素だが、それにしても……。