春競馬の“総決算”宝塚記念的中のための検証。今回は血統について触れることにしよう。
宝塚記念で好走する馬は、スタミナや底力を持つ血統背景のある馬ばかりだ。
例えば昨年1着のオルフェーヴルは父が天皇賞春で好走したステイゴールド。母父は天皇賞春連覇のメジロマックイーン。一昨年の1着アーネストリーは有馬記念を連覇したグラスワンダーが父、そして母父は凱旋門賞馬のトニービンだ。
他の馬を見ても、いずれもスタミナ豊富な血統の馬が大多数を占めている。
阪神芝2200mというタフなコースで行われるGIでは、距離以上にスタミナが要求されるということだ。
そして特に注目したい血を2つ上げていこう。
1.セントサイモンの底力
20世紀最高の種牡馬と呼ばれるセントサイモン。圧倒的なスタミナと底力で当時の英国競馬界を席巻したこの歴史的名種牡馬は、父系でこそ衰退していったものの、今なお大きな影響を与えている。特にスタミナや底力が要求されるレースで力を発揮するのだ。
例えば、ショウナンマイティは父母父がセントサイモン系、アーネストリーは5代以内にリボー(16戦16勝、凱旋門賞を連覇したセントサイモン系の最高傑作の一頭)の血を持ち、ナカヤマフェスタに至っては母父がセントサイモン直系だった。さらにエイシンデピュティも父母父がセントサイモン系。
これら挙げてきた馬を見ても分かるとおり、多少の人気薄でもセントサイモン系の血があれば好走への期待を持つことができる。
2.ダンジグの我慢強さ
セントサイモンと同じく、ダンジグも厳しい環境で強調できる種牡馬だ。マーメイドSの際に、「夏に強いダンジグ系」について紹介したが、宝塚記念でも当然強調できる。
しかもダンジグは切れ味よりも持続的なスピードが要求されるレースを得意とする。宝塚記念はまさにそういったレースで、母父がダンジグ系のグラスワンダー産駒(アーネストリーやサクラメガワンダー)が好走している大きな理由の一つが、このダンジグの存在だと考えられる。
セントサイモンとダンジグ、この2つの血に注目していけば、宝塚記念の的中に近づいていけるはずだ。