今回は京王杯2歳ステークスについて検証していこう。
東京芝1400mで行われるGIIで求められることとは何なのか? まずはレースラップを見ていくことにしよう。
ファンタジーSとの違い
過去5年のレースラップと、前後半3ハロンの比較を見てみよう。
2013年
12.8 – 11.8 – 12.1 – 12.1 – 11.5 – 11.0 – 11.8
36.7-34.3
2012年
12.7 – 11.3 – 11.6 – 11.9 – 11.3 – 11.0 – 11.4
35.6-33.7
2011年
12.5 – 10.9 – 11.7 – 12.4 – 11.7 – 11.0 – 11.6
35.1-34.3
2010年
12.5 – 10.9 – 11.7 – 12.4 – 11.7 – 11.0 – 11.6
35.1-34.3
2009年 ※稍重
12.5 – 10.8 – 11.3 – 12.0 – 11.7 – 11.3 – 12.4
34.6-35.4
同じ芝1400mで行われるファンタジーSと明らかに違う点は、後傾ラップになる傾向にあることだ。
前後半3ハロンの比較を見てみると、過去5年中4年で後傾ラップを記録している。唯一、前傾ラップだった2009年が稍重開催だったことを考えると、良馬場ならまず後傾ラップになると考えていい。
さらに中盤のラップを見てみると、12秒台を記録する年が多く、明らかに緩んでいることがわかる。
1400mでペースが緩むとどういうことが起きるかといえば……
惰性で粘り込むことが可能になる。
東京の重賞では速い上がりを求められがち。しかし京王杯2歳Sでは、上がりはあまり重要ではない。
実際、過去5回の京王杯2歳Sで上がり1位を記録した馬の成績を見てみると……
脚質上り:3F 1位
日付 | 馬名 | 着順 | 上り3F |
---|---|---|---|
2013.11. 9 | モーリス | 6 | 33.1 |
2012.11.10 | タイセイドリーム | 4 | 33.4 |
2012.11.10 | ノウレッジ | 5 | 33.4 |
2012.11.10 | コスモシルバード | 6 | 33.4 |
2011.11.12 | レオアクティブ | 1 | 33.6 |
2010.11.13 | ロビンフット | 6 | 33.4 |
2009.11.14 | アニメイトバイオ | 2 | 34.0 |
集計期間:2009.11.14 ~ 2013.11. 9
ご覧のとおり、馬券に絡んだのは2頭のみ。上がり1位の脚を使ったにも関わらず、過半数の馬が差しそこねている。
それもそのはず。ペースが緩むのだから、前の馬は残れてしまう。
特にペースの緩みが顕著だったここ2年は、上がり3位以内の末脚を使った馬が1頭も馬券にならなかった。
ハイペースになりそうなら差し馬の台頭を考慮すべきだが、基本的には「前有利」と考えたほうがいいわけだ。
では、血統的にはどんな血を狙えばいいのだろうか?
早熟血統を狙え
ここはファンタジーSと同様、早熟血統を狙っていくべきだろう。
2歳秋に行われるだけに、現時点での完成度がモノをいう。オルフェーヴルクラスの力があっても、適性や早熟性がなければここで好走することは難しい。
実際、過去5年の勝ち馬を見てみると……
着順 | 馬名S | 人気 | 種牡馬 | 父タイプ名 |
---|---|---|---|---|
1 | カラダレジェンド | 5 | フレンチデピュティ | ヴァイス系 |
1 | エーシントップ | 5 | Tale of the Cat | ストームB系 |
1 | レオアクティブ | 5 | アドマイヤムーン | ミスプロ系 |
1 | グランプリボス | 7 | サクラバクシンオー | プリンス系 |
1 | エイシンアポロン | 3 | Giant’s Causeway | ストームB系 |
集計期間:2009.11.14 ~ 2013.11. 9
ヴァイスリージェント、ストームキャット、ミスプロといった米国ダート血統を持つ馬が勝っている。グランプリボスは後のGI2勝馬であり、他にプラス要素があったため食い込むことができたが、基本的には米国ダート血統を狙うのが鉄則だ。
となると、この馬には注目していきたい。
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父は早熟血統であり、昨年も2歳重賞で活躍馬を輩出した。距離的にもベスト。ここは激走の期待が高い。