今回はデイリー杯2歳ステークスに出走するアッシュゴールドについて書いていきたい。
全兄にオルフェーヴルやドリームジャーニーがいる超良血馬は2歳重賞を華々しく制することができるのだろうか?
期待と不安が入り混じる血統
ステイゴールド産駒は成長力がある。
オルフェーヴルは2歳時にパッとしなかったものの、3歳春からどんどん力をつけた。ドリームジャーニーは朝日杯フューチュリティステークスを制したが、本当に力をつけたのは古馬になってからだ。
そう考えると、2歳時には期待を持てないのではないかと考えがちだ。
しかし、実はステイゴールド産駒は2歳重賞における期待値が高い。
種牡馬:ステイゴールド/年齢:2歳
着別度数 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
5- 2- 5-19/31 | 16.1% | 38.7% | 224 | 106 |
集計期間:2005. 9. 4 ~ 2014.11. 1
出走頭数こそ多くないが、出走してきた場合はかなり高い確率で好走する。しかも回収率が秀逸。穴馬がしっかりと走っているということだ。
そう考えるとアッシュゴールドも素直に買えばいいように思える。
ただ、気になる点も少なくない。そのネックとなるポイントも、また血統である。
ステイゴールド産駒の最大の武器は底力だ。瞬発力と底力を兼ね揃えているため、阪神や中山といったサンデー系が苦手にしがちなコースで力を発揮する。
しかし、直線に坂がなく、馬場が軽い京都コースでは底力が生きない。
例えば中央4場で行われる重賞における成績を見てみよう。
種牡馬:ステイゴールド 場所別集計
場所 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|
東京 | 10- 5- 5- 66/ 86 | 11.6% | 23.3% | 138 | 86 |
中山 | 14- 7- 5- 56/ 82 | 17.1% | 31.7% | 92 | 87 |
京都 | 5- 1- 3- 61/ 70 | 7.1% | 12.9% | 57 | 34 |
阪神 | 18- 6- 4- 49/ 77 | 23.4% | 36.4% | 249 | 112 |
集計期間:2005. 9. 4 ~ 2014.11. 9
ご覧のとおり、京都の成績が圧倒的に悪い。
さらに詳細を見ていくと、5勝のうち、4勝は菊花賞や天皇賞春といった長距離GIだった。
長距離GIなら持ち前のスタミナを生かすことが可能になる。しかし、中距離以下だと、ステイゴールド産駒より切れ味のあるサンデー系の後塵を拝してしまう。
実際、2400m以下の重賞における成績は……
種牡馬:ステイゴールド/場所:京都
着別度数 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
1- 1- 2-45/49 | 2.0% | 8.2% | 39 | 24 |
集計期間:2005.10.15 ~ 2014.10.19
わずか1勝しか挙げられていない。しかもこの1勝はハンデ戦のマーメイドステークスでソリッドプラチナムが挙げたものだった。この時、ソリッドプラチナムの斤量はなんと49キロ。ハンデ戦を除くと(0−1−2−37)と、恐ろしく低調な成績になる。
アッシュゴールドにとって救いなのは、馬券圏内に入った3頭がオルフェーヴル(2回)とドリームジャーニーであるという点だ。ただ、基本的に京都の重賞でステイゴールド産駒を強調することはできないのである。
しかもアッシュゴールドは良血ということで過剰人気必至だ。よって、余程のプラス要素がない限り、重い印を打つのは危険なのではないかと感じている。
もちろんこれは現時点での評価のため、最終的に重い印を打つ可能性はある。しっかりと検証を行い、結論を導き出していきたい。
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