今回は天皇賞秋に出走する有力馬の1頭、ジェンティルドンナを取り上げよう。

3歳時に牝馬3冠を達成し、ジャパンカップではオルフェーヴルを撃破。昨年もジャパンカップを制し、獲得したGIタイトルは6つを数える。

そんなジェンティルドンナだが、宝塚記念では良い所なく9着に敗れた。果たして、得意の府中で復活することができるのだろうか?

ジェンティルドンナの不安要素

昨年の天皇賞秋ではジャスタウェイに敗れたものの、当面のライバルと考えられていたトウケイヘイローを終始マークした上で2着に入った。

展開面を考えれば“負けて強し”の内容で、適正は十分あると考えられる。

ただ、不安要素がないわけではない

それは、天皇賞秋の歴史と関係している。

第150回を迎える天皇賞秋だが、歴史上、連覇を成し遂げた馬はシンボリクリスエスのただ1頭しかいない。

しかも、シンボリクリスエスが制した2002年のジャパンカップは、東京競馬場の改修工事に伴い、中山競馬場で行われていた。

つまり、歴史上、東京競馬場における天皇賞秋を連覇した馬は1頭もいないのだ。

テイエムオペラオー、ゼンノロブロイ、ウオッカ、ブエナビスタ、エイシンフラッシュといった歴史的な名馬たちが挑戦したものの、ただの1頭も連覇を成し遂げられなかった。

直線の長い府中の2000mという過酷な舞台で2年連続勝つというのは、それほど“超難関なミッション”なのである。

「連覇が難しい」というのは「適正と能力が伴わなければ好走できない」と言い換えることができる。

実際、天皇賞秋はなかなかの“リピーターレース”で、2000年以降で見てみると……

テイエムオペラオー
メイショウドトウ
ゼンノロブロイ
ダンスインザムード
カンパニー
ウオッカ
ペルーサ
エイシンフラッシュ

※シンボリクリスエスは2002年が中山開催だったため除外

これらの馬が2回以上、馬券に絡んでいる。

しかし、ほとんどの馬が、1回目の好走時より2回目のほうが順位を落としている

テイエムオペラオー(4、5歳時)
2000年 1着 → 2001年 2着

メイショウドトウ(4、5歳時)
2000年 2着 → 2001年 3着

ゼンノロブロイ(4、5歳時)
2004年 1着 → 2005年 2着

ダンスインザムード(3、4歳時)
2004年 2着 → 2005年 3着

カンパニー(6、8歳時)
2007年 3着 → 2009年 1着

ウオッカ(4、5歳時)
2008年 1着 → 2009年 3着

ペルーサ(3、4歳時)
2010年 2着 → 2011年 3着

エイシンフラッシュ(5、6歳時)
2012年 1着 → 2013年 3着

ご覧のとおり、テイエムオペラオー、ゼンノロブロイ、ウオッカは適正と実力が伴った状態にある全盛期の4歳時に天皇盾をとっている。しかし、やや力が落ちた翌年には順位を落としている。

なんと着順を上げたのはカンパニーのみだ。

カンパニーは8歳になってから充実期を迎え、毎日王冠→天皇賞秋→マイルチャンピオンシップと重賞3連勝を飾った異例の馬だけに、例外と考えていいだろう。

ジェンティルドンナは昨年2着。しかも昨年4歳で今年は5歳である。昨年の覇者ジャスタウェイがいないことを考えても、連対を果たすのは相当難しいミッションといえるのだ。

もちろん、ジェンティルドンナにとって有利なデータはあるし、これだけで切ることはできない。ただ、仮にジェンティルドンナが1着となれば、快挙といえるのだ。

このデータを考慮した上で、現時点でのジェンティルドンナの評価(E)はこれだ↓↓

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相当難しいミッションに臨む女傑に注目していきたい。