今回は秋華賞の“枠順の明暗”に関して書いていこう。
秋華賞は秋開催の京都の開幕から2週目に行われる。京都といえば基本的に内枠有利。しかも開幕週に近ければ馬場状態が良いため、内が有利になるのが常だ。
しかし、結論から言えば秋華賞で「内枠有利」は当てはまらない。
牝馬クラシック最終戦はコーナー4回の小回りという舞台設定で行われる。
内回りのため、外枠の馬たちは距離をロスしがち。当然、内枠からスタートして経済コースを通った馬が有利である。
だが、京都の内回りはコース形態上、「外から被されやすい」性質を持っている。
しかもGIとなれば、すべての馬がタイトルを狙いに行く。多少のラフプレーは起こらないほうがおかしいくらいで、内枠の馬は直線で包まれたり、外から不利を受けたりする。だから単純に内枠有利とはいえないのだ。
実際に過去10回の秋華賞の枠順別の成績を見てみよう。
◆枠番別集計
集計期間:2004.10.17 ~ 2013.10.13
———————
枠番 着別度数
———————
1枠 0- 4- 1-15/20
2枠 2- 0- 2-16/20
3枠 1- 1- 2-16/20
4枠 0- 0- 0-20/20
5枠 1- 1- 0-18/20
6枠 2- 1- 2-15/20
7枠 3- 0- 2-25/30
8枠 1- 3- 1-25/30
———————
ご覧のとおり、外枠の5〜8枠に入った馬が7勝を挙げている。対して内枠は3勝のみである。
特に内枠に入った差し馬というのは致命的だ。
・1〜4枠
・4角10番手以下
上記に合致する馬の成績は……
◆4角位置別集計
集計期間:2004.10.17 ~ 2013.10.13
—————————————————
着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
—————————————————
0- 2- 2-28/32 0.0% 6.3% 12.5% 0 40
—————————————————
ご覧のとおり、1頭も勝ち馬が出ていない。好走率も散々なものだ。
理由は少し考えればわかる。
単純に内回りコースのため、直線で前があきにくい。しかも直線の入り口では外の馬たちが内の馬たちにかぶさってくる。これでは内の3、4列目に控える馬は進路を見つけられない。せいぜい、外の馬たちが通りすぎたコースを通るくらい。しかし、当然それでは届かない。
ということで、秋華賞に関しては外枠が圧倒的に有利とまでは言えないものの、内の馬は不利を受けやすく、外の馬のほうがスムーズに競馬ができる。
「開幕2週目だから外は割引き」とはいえないのだ。
ちなみに先週行われた芝2000mの枠順別成績を見てみると……
◆枠番別集計
距離:2000m
集計期間:2014.10.11 ~ 2014.10.14
———————
枠番 着別度数
———————
1枠 0- 0- 2- 3/ 5
2枠 0- 1- 1- 3/ 5
3枠 0- 0- 1- 5/ 6
4枠 0- 1- 0- 5/ 6
5枠 1- 0- 0- 6/ 7
6枠 2- 0- 0- 5/ 7
7枠 0- 1- 0- 6/ 7
8枠 1- 1- 0- 5/ 7
———————
ご覧のとおり、勝ったのはすべて5枠より外の馬だった。以上のことから……
・内枠を重視しすぎるのは危険
・外枠で割り引く必要はない
秋華賞ではこの意識を忘れないでおきたい。
例えば抜群の切れ味を誇るこの馬だが、内枠に入ったら厳しい競馬を強いられるかもしれない。
その馬の名(F)は→「人気ブログランキング」で公開中!
(現在10位前後!当サイトの紹介欄に注目馬を掲載しています)