前回の札幌記念の検証では、ラップから“レースの本質”を紐解いた。

毎回同じようなラップを刻む札幌記念でどのようなタイプの馬が強調できるのか、わかったと思う。

今回は再び血統面にスポットを当てていきたい。

サンデーの力を引き出す血は……

最初の血統検証で「父サンデーサイレンス系は強調できる」と書いた。

持続力レースながら上がりのスピードも要求される札幌記念では、瞬発力の血が生きてくるわけだ。

では母系にどのような血を持っているのがベターなのか?

これは疑いの余地なく、「ノーザンダンサー系」である。

レースのラップが大きく緩まないということは、脚を溜められる場面が少ないということだ。脚を溜められる場面が少なければ、体力を消耗し、後半でいい脚を使えなくなってくる。

しかし、スタミナが豊富なノーザンダンサーの血を持っていれば体力面の不安は緩和する。

そもそも札幌は洋芝のため、他の競馬場よりスタミナが求められる土壌がある。だからノーザンダンサーの血を持っていて損はないのだ。

実際、「父サンデー系×母父ノーザンダンサー系」という配合の馬は札幌記念で好成績を挙げている。

◆父サンデー系×母父ノーザンダンサー系
集計期間:2003. 8.24 ~ 2012. 8.19
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着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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4- 3- 5- 9/21 19.0% 57.1% 201 144
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※10番人気以内

ご覧のとおり、素晴らしい成績を残している。ただ、過去10回で集計するとサンデーサイレンスの直仔が入ってしまうため、やや信ぴょう性に欠けると思われるかもしれない。

そこで、サンデーサイレンスの直仔を除いた集計も出してみよう。

◆父サンデー系×母父ノーザンダンサー系
集計期間:2006. 8.20 ~ 2012. 8.19
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着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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1- 2- 2- 4/ 9 11.1% 55.6% 137 120
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※サンデーサイレンス直仔は除外
※10番人気以内
※1〜6枠

枠順に関して補足すると、レベルの高い馬が集まる札幌記念では単純に外枠があまり有利ではない。極端な外枠に入るより、内枠に入るほうが有利であるため、外枠は除外してある。

そうするとご覧のとおり、勝ち馬は1頭にとどまっているものの、好走率や回収値の面で優れた成績を残している。

なお、2009年以降、毎年該当馬がいるが、必ずこの中から1頭は好走馬が出ている。2009年といえばサンデーサイレンスの直仔がほとんどいなくなった時期だ。よって、昔よりサンデーの孫が走りやすくなっていると考えられる。

今年も「父サンデー系×母父ノーザンダンサー系」の配合馬には注意が必要だ。

となると、上記の配合に合致するこの馬は強調できる1頭と考えて良さそうだ

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