全頭診断その1
今週はNHKマイルカップの徹底検証を行っている。今回は恒例の“全頭診断”を行う。
「好走率100%の軸馬発掘ファクター」や「絶対的消しデータ」を用い、「血統」をはじめとして様々な観点から検証を行ってきた中で、各馬の「総評」をお届けする。今回は第1弾。なお、
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週末の予想に直結する可能性が高く、内容は必見。メンバーを1頭ずつ切っていこう。
※枠順、馬名(血統評価A〜E)の順
※血統評価はあくまでも血統のみ見た評価であり、出走馬自体の評価ではありません
※特別な注釈がない限り、データは過去1年のもの
※ブログ用に一部修正している箇所があります。ご了承ください
1−1 キングズオブザサン(D)
父チチカステナンゴ、母父サンデーサイレンスという血統。
母のスティンガーは全7勝中、5勝を東京で挙げている。京王杯スプリングSで牡馬を蹴散らし、安田記念は1番人気に支持されたほどだ(結果は4着)。
しかし、さすがにチチカステナンゴとの配合ではスティンガーのスピードが殺されてしまう。
チチカステナンゴ産駒の得意とする舞台は中山だ。タフさが要求された今年初めの中山では、チチカステナンゴ産駒が躍動した。
一方、スピードが要求される東京では全く結果が出せていない。産駒がデビューして以来、東京での成績は以下の様なものだ。
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着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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2- 2- 7-40/51 3.9% 21.6% 16 52
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ご覧のとおり、成績は超低水準。何より51頭走って、勝ったのは新馬の2頭だけである。
いくら母がスティンガーといっても、とても強調できる血統とはいえない。
さらに枠順も最悪だ。
2013年以降、1枠に入った6番人気以下の成績は……
◆1枠
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着別度数 勝率 複勝率 単回値 複回値
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2- 0- 2-46/50 4.0% 8.0% 103 49
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ご覧のとおり、超低水準だ。不良馬場という特殊なコンディションで行われたレースで11番人気のカッテが勝ち星を上げたため、単勝回収値こそ100を超えている。しかし、複勝率の低さを見ても分かるように、明らかに穴馬が走っていない。ちなみに他の枠順は総じて複勝率15〜25%の間で、1枠の8%というのは明らかに低い。
しかも5月生まれと遅生まれというハンデも背負っている。
残念ながらここで出番はない。一夏超えて迎える中山やローカル開催で期待したい。
1−2 タガノブルグ(B)
父ヨハネスブルグ、母父スペシャルウィークという血統。
サンデーに加えてストームキャットの血も持っていて、血統的には悪くない。
3月生まれという点も強調できる。何より騎手が良い。
三浦騎手はバカにされがちだが、東京では最も買える騎手の一人だ。
特にマイル戦では2013年以降(9−6−3−12)、複勝率47%という驚異的な成績を残している。これは騎乗機会が15回以上あった騎手の中で、後藤浩輝騎手に次ぐ好成績だ。
だが、マイナス要素は多い。
まずローテーションに関して。2週間前にレースに出ていた馬の成績は過去10年で(0−0−1−21)。さらに距離延長組は(0−1−3−42)と、ほとんど走っていない。
加えて前述のとおり、1枠は穴馬にとって鬼門の枠順だ。
アーリントンカップでは距離の壁を感じさせたし、総合的に判断するとマイナス要素が多く、手が出しづらい。あまりにも人気がないならおさえても……というレベルの馬だろう。
2−3 ダンツキャンサー(C)
父アドマイヤジャパン、母父サクラバクシンオーという血統。
購読歴の長い読者の方なら何度も聞いていると思うが、アドマイヤジャパンは素晴らしい種牡馬だ。
産駒デビュー以来、単勝50倍以下の馬を全頭勝っていれば単複回収値ともにプラスになる。
能力が高いのに人気にならない。まさに馬券孝行な種牡馬といえる。
母系にはプリンスリーギフトやグレイソヴリンの血を持っていて、NHKマイルカップとしては悪くない血統だ。
ただ、マイナス要素も多い。
・距離延長ローテ
・2月生まれ
・谷調教師
調教師に関して補足すると、谷調教師は重賞での実績がほとんどない。最後に重賞を勝ったのは10年以上も前の2002年、ダイヤモンドSである。(ちなみに勝ち馬はキングザファクト)
そして何より展開面で向かない可能性が高い。
今回ハナを切るのはこの馬、もしくはミッキーアイルが濃厚だ。
NHKマイルでは逃げ馬の成績が低調だというのは既にお伝えしたとおり。仮に逃げなかったとしても、ミッキーアイルのスピードについていったとしたらノーチャンスだろう。
今後、馬券的に長く付き合っていきたい馬ではあるが、今回ではない。
2−4 ロサギガンティア
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3−5 ショウナンアチーヴ
→メールマガジンに掲載
3−6 ベルルミエール(C)
父スウェプトオーヴァーボード、母父サンデーサイレンスという血統。
サンデーの血に加えてミスプロの血を持っているため、好走血統に合致するように見える。しかし、父ミスプロ系を強調することはできない。
父ミスプロ系は過去10年のNHKマイルカップで(1−0−2−26)と、複勝率はわずか10%である。好走したのは以下の3頭。
グランプリエンゼル
ダノンゴーゴー
ラインクラフト
この3頭、好走した理由はすべて説明がつく。
まずラインクラフトは絶対的な力を持っていた。桜花賞を制し、後には秋華賞、マイルCS、そして高松宮記念で馬券になっている。傑出した能力を持っていたことは間違いない。
残りの2頭は完全に展開に恵まれた。
ダノンゴーゴーは傑出した末脚の持ち主で、キャリアすべてで上がり2位以内の脚を使ってきた。そしてこの年は掲示板5頭中4頭が4角10番手以下、上位3頭すべてが上がり3位以内の脚を使っていた。つまり、完全な差し競馬になったからこそ、台頭できたのだ。
グランプリエンゼルの年はジョーカプチーノが逃げ切った年だ。そう、この年は完全に前残りだったのだ。掲示板に載った5頭は全頭が4角5番手以内。上がり最速のワンカラットは6着に入るのが精一杯だった。
つまり、父ミスプロ系は……
・突出した力を持っている
・展開的に相当恵まれる
いずれかの条件を満たさない限り好走は難しい。
となると、ミッキーアイルのいる今回、展開的に恵まれる可能性は低いと言わざるをえない。
ただ、前走は完全な差し競馬になった中で3着に粘った。ファルコンSも同様の展開で4着。能力的には面白いものを持っている。重い印を打つことはできないが、人気がないなら拾っておきたい1頭だ。
4−7 ホウライアキコ
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4−8 サトノルパン
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4−9 アトム
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ということで、この中で「面白そうな穴馬」はこの馬!
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