ラップから紐解くフェブラリーSの本質
前回はフェブラリーSで求められる「底力」に関して検証した。
底力がある馬とない馬とでは成績の差が歴然であることが分かったと思う。
今回はフェブラリーSで求められるもう一つの要素「スピードの持続力」に関して書いていこう。
スピードの持続力の重要性
前回も書いたが、フェブラリーSで求められるのは「スピードの持続力」と「底力」だ。
フェブラリーSにはダートの一級線のメンバーが集まってくるため、生ぬるいペースにはならない。
以下は過去3年のレースラップと、前後半800Mの比較である。
2013
12.2-10.8-11.6-11.9-12.1-12.1-12.0-12.4
46.5−48.6
2012
12.2-10.9-11.6-11.9-12.1-12.4-12.0-12.3
46.6−48.8
2011
12.6-11.2-11.9-12.2-12.2-12.1-11.9-12.3
47.9−48.5
前後半800Mのラップを見てもらえば分かりやすい。過去3年、例外なくいずれも前傾ラップとなっている。
前傾ラップということは、それだけ前半からペースが上がっているということ。反対に言えば、緩む場面が無いため、脚をためる時間がない。だから後半はスピードを上げるというよりも、いかに失速しないかが重要になってくる。必然的に上がり3ハロンに特化したタイプの差し馬はなかなか馬券圏内に来られない。
まとめると、フェブラリーSで重要なのは直線で失速しないこと(=スピードの持続力)と、それを実現するための底力ということになる。
では、「スピードの持続力」という観点から、どういった馬が強調できるのか?
それは、前走の上がりを見ればある程度絞ることができる。
前走、速い上がりを使っている馬がプラス、というよりも、上がりが使えていない馬は大幅なマイナス評価となる。
なぜなら、上がりを使えていないということはバテているということだからだ。
フェブラリーSよりもペースの厳しい前哨戦というのはあまりない。そんな、ペースのゆるいレースで失速しているのであれば、本番で好走できるはずもない。だから、前走の上がりが一つの指標になってくるのだ。
そこで、過去10年の上がり別成績を見てみよう。
◆前走脚質別集計
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前走脚質 着別度数
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3F 1位 2- 2- 2- 8/ 14
3F 2位 3- 0- 1- 12/ 16
3F 3位 2- 0- 0- 12/ 14
3F 4、5位 1- 0- 0- 19/ 20
3F 6位~ 0- 0- 1- 52/ 53
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※前走地方出走馬は対象外
ご覧のとおり、一目瞭然だろう。
前走上がり1位や2位の馬が良い成績を残しているのに対し、上がり4位以下は70頭以上が出走してわずか2頭しか馬券に絡んでいない。6位以下に至っては3着が1頭いるのみ。
このデータを見ても「スピードの持続力」の重要性が分かるはずだ。
となると、出走してくればそこそこ人気しそうなこの馬は「危険な穴人気馬」と言えるかもしれない。
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