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前回は「スプリンターズSのレース質」について記してきた。

今回はスプリンターズSの「血統」について触れていこう。前回の記事の最後に、「5番人気以内に支持されそうなこの馬だが、今回は出番はないと考えて良いだろう」と書いたが、なぜサクラゴスペルに高い評価を与えられないのか?

それは、「父サンデーサイレンス系」だからだ。

スプリンターズSはサンデー系にとって鬼門のレースなのである。

サンデー系の最大の武器は「瞬発力」。他の系統にはない抜群の瞬発力で日本競馬を席巻する切れ味の血だ。しかし、スプリンターズSにおいてはその瞬発力の血が邪魔になる。

前回の検証で記したように、スプリンターズSは「前傾ラップ」を刻むことが確実で、「前半から飛ばして後半は我慢比べのレース」になる可能性が非常に高い。

そして、サンデー系はそういった、道中に息を入れられないレースを苦手としている。道中、脚をためて上がり3ハロンで他馬を置き去るのがサンデー系のパターンだが、脚をためられないスプリンターズSでは切れ味を発揮することができないのだ。

実際、過去5年の好走馬15頭中、父サンデー系はキンシャサノキセキ1頭のみ。(※キンシャサノキセキは2回好走。)昨年は父ダイワメジャーのエピセアロームが、過去にも父フジキセキのアルティマトゥーレやファイングレインが3番人気以内に支持されたが、いずれも馬券圏外に沈んでいる。今年、サンデー系で登録しているのは……

サクラゴスペル
エピセアローム
シルクフォーチュン

今年はハクサンムーンが出走することで、ペースが緩むことは考えられない。ペースが流れるということはサンデー系にとって好ましいことではなく、今年も厳しい戦いが強いられることは間違いなさそうだ。

では、一方でスプリンターズSで「強調できる血」とはどんな血統なのだろうか? それはこの血統である。

その馬の名は→(現在15位前後)

明日はこの「好走血統」について深く探っていくことにしよう。乞うご期待!