前回は「新潟2歳Sで重要になる血統」について見てきた。
今回も引き続き、血統面に関する考察を行っていこう。
新潟2歳Sはその名の通り、2歳馬が集まる重賞。この時期の競走馬は人間で言えば高校生と例えられるように、まだ幼くて出来上がっていない。
そこで重要になってくるのが「早熟性」だ。
フィギュアスケートの浅田真央ちゃん、ゴルフの石川遼くんなど、人間でも若くして注目される人がいる。彼らはその競技のピークと言われる年齢以前に高い完成度で頭角を現してきた。
競走馬でも「早熟性」を武器に2歳重賞で躍進を遂げる馬は毎年いる。
もう少し踏み込んで言えば、早熟性「だけ」で好走する“一発屋”が毎年出現する。(※真央ちゃんや遼くんを一発屋と言っているわけではないのであしからず。)
実際、新潟2歳Sの歴代好走馬を見ていくと、「現役時代に2歳GIを勝った種牡馬」、もしくは「2歳GI馬を輩出した種牡馬」の血を持った馬が数多く激走していた。
2012年
2着 ノウレッジ(10番人気)
父:ストリートセンス(米GI BCジュヴェナイル ※最優秀2歳牡馬)
母父:コロナドズクエスト(2歳GI馬ソサエティセレクションなどを輩出)
3着 サウンドリアーナ(9番人気)
父:ケイムホーム(米GIホープフルS)
2011年
1着 モンストール(4番人気)
母父:デヒア(米GIホープフルSなど ※最優秀2歳牡馬)
2着 ジャスタウェイ(1番人気)
母父:ワイルドアゲイン(2歳GI馬ワイルドエスカパードなどを輩出)
3着 クイーンアルタミラ(9番人気)
父:バゴ(クリテリウム・アンテルナシオナル)
母母父:アローエクスプレス(朝日杯3歳S ※最優秀3歳牡馬 ※現2歳)
2010年
2着 マイネルラクリマ(10番人気)
父:チーフベアハート(2歳GI馬マイネルレコルトなどを輩出)
ご覧のとおり、大半の馬が“早熟の血”を持っていた。
能力が固まりきっていない2歳重賞では、完成度の高さがポイントとなり、早熟の血を持った馬が有利となる。
なお、先日の函館2歳Sではバゴ産駒のクリスマスが圧勝。今年もこの“早熟の血”を持った一発屋が激走する可能性は高い。
となると、「スタミナの血」と「早熟性」を持ち合わせるこの馬が好走する可能性は高いといえるかもしれない。