前回は函館2歳Sでサンデーサイレンス系(SS系)が走らない理由を述べた。

今回はその理由の一つ「早熟性」について、掘り下げていきたい。

函館2歳Sの施行時期は2歳の夏と早く、ここで勝つためには早熟性が求められる。

逆に言えば、このレースでは秘めている実力だとか将来性といった要素は全く関係ない

いかに早熟か、いかに完成しているか、いかにここで燃え尽きられるか。

求められるのはそれだけだといっても過言ではない。

実際、過去の函館2歳Sの好走馬を見てみると、より鮮明に「早熟性」の重要さが見えていく。フィフスペトル(マイルCS2着)やアイムユアーズ(後に重賞3勝)といった例外はいるものの、函館2歳S以降、勝利どころか3着以内にもこられない馬が多数いる。

昨年の連対馬、ストークアンドレイとコスモシルバードも、以降のレースで1度も3着以内に着ていない。(コスモシルバードは既に登録抹消。)マジカルポケットやマイネショコラーデもそれぞれ1度2着があるだけで、惨敗続き。

このように、「将来性より早熟性」を狙うべきなのが函館2歳Sというレースなのだ。

となると、血統的には「ミスプロ系」を始めとした「アメリカ血統」が有利になってくる。

実際、過去5年の好走馬12頭中、なんと10頭は父か母父が「ミスプロ系」、もしくは「ヴァイスリージェント系」というアメリカ血統だった。

今年もアメリカ血統を持つ馬には、要注意が必要だ。