【JCダート2012】砂の頂上決戦で躍動する芝の超スタミナ血統

異次元の走りを見せられるか!? （C）阪神サラブレッドクラブ

ジャパンカップダートは読んで字のごとく砂の頂上決戦である。

阪神ダート1800mという右回りになったことが影響して海外からの参戦馬はいないが、国際競争に位置づけられるレースで、日本では最も権威あるダートGIだといっても過言ではない。

しかし、血統面で見てみると、意外な事実が見えてくる。

実はダートGIであるにもかかわらず、コテコテのダート血統馬はほとんど通用しない。

好走するためのキーワードは、「芝の超スタミナ血統」である。

ジャパンカップダートは砂の頂上決戦だけあって豊富なスタミナを問われるレースになる。

実際に過去の好走馬を見てみると、ほとんどの馬がスタミナのある芝種牡馬の血を持っていた。

具体的には菊花賞、天皇賞春といった長距離GIにゆかりのある血統、もしくは凱旋門賞に代表される欧州の大レースに関連している血だ。実際に見ていくと……

2011年
1着　トランセンド
母父トニービン（凱旋門賞馬）

2着　ワンダーアキュート
母父プレザントタップ
※道悪のJCを圧倒したタップダンスシチーの父

3着　エスポワールシチー
母父ブライアンズタイム（菊花賞、天皇賞春馬を輩出）

2010年
1着　トランセンド（前述）

3着　アドマイヤスバル
父母父トニービン
母父ジェネラス（英ダービー、キングジョージ馬）

2年だけ振り返ったが、ほとんどの馬が豊富なスタミナを裏付ける血を持っていた。ワンダーアキュートの母父プレザントタップはダートで活躍した馬だが、タップダンスシチーを輩出。あのJCでの圧勝は、圧倒的なスタミナがない限りできないパフォーマンスである。

その他にもステイゴールド（凱旋門賞2着馬を輩出）、エルコンドルパサー（凱旋門賞2着）、マヤノトップガン（菊花賞、天皇賞春馬）の産駒が好走。

唯一例外のグロリアスノアは、既に以前の検証で伝えた通り展開的に恵まれての好走だった。

今年も芝のスタミナ血統が重要になってくることは間違いないだろう。

となると、母父として菊花賞馬を輩出した実績がある母父を持つとはいえ、ダート血統色が強すぎるこの馬は“危険な人気馬”と言わざるをえない。その馬の名は……

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