今回は有馬記念というレースの“舞台設定”を今一度、考えていきたい。

有馬記念は日本で最も盛り上がるGIであるにもかかわらず、“軽視”されているという“真実”がある。(詳細はこちら→グランプリの“意外な真実”を検証

加えて有馬記念には「本気度が低い馬が出走する“明確な理由”」があるのだ。

JRAの思惑

有馬記念は日本で最も盛り上がるレースだ。売上は2位の日本ダービーより100億円以上多く、小さな中山競馬場に10万人以上の観衆が集まる。

胴元のJRAにとって、まさに“ドル箱レース”なのだ。

有馬記念が盛り上がるかどうかは「競馬が盛り上がるかどうか」、さらに具体的に言えば「競馬人気=馬券の売上」に直結してくる。

よって、JRAにとって有馬記念を盛り上げることは、社運を賭けた“至上命題”なのだ。

「有馬記念を盛り上げることが大事」というのは、明確に公式文書で明言されている。JRAはスターホースが有馬記念に出走してくるよう、「特別出走報奨金」の制度を制定しているのだ。

有馬記念競争の特別出走報奨金制度の詳細

「有馬記念競走の興趣向上を図るため,同競走のファン投票において,高い支持を受けた馬に対して,特別出走奨励金を交付する」

特別出走報奨金額は……

1位〜3位 2000万円
4位、5位 1000万円
6位〜10位 500万円

つまり、ファン投票上位の馬は出走しただけで高額の賞金を手にすることができる

よほど馬の状態が悪かったり、翌年のプランに影響しない限り、出走しない理由はない。ファン投票5位以内の馬なら、それなりの状態で出るだけで1000万円以上を得られるのだから。

陣営の思惑

有力馬の馬主や陣営が、秋の最大目標を天皇賞秋かジャパンカップに設定する傾向にあるというのはすでに検証した。

有馬記念は秋の最大目標ではない(ことがほとんど)。

加えて「出走するだけでお金が入る」とくれば、有力馬の本気度はかなり疑わしい。建前上は「万全の状態で出す」と言うだろうが、「無事に回ってきてくれれば」と思っている陣営も多いはず。

有力馬を出走させるために特別出走報奨金を用いているのに、特別出走報奨金があるおかげで有力馬の本気度が下がる(可能性を生む)、というのは皮肉な話だ。

ということで、有馬記念は本気度の低い上位人気馬より本気度の高い穴馬を狙うべき。そのほうが明らかにベターな選択といえる。

なお、現時点で「大穴」と考えている馬は以下になります。

その馬の名(C)は↓↓(ランキング内で『アルファベット→馬名』の順で記載)

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前走は大敗を喫しているが、もともと全く適正が合わなかったため、何の驚きでもない。参考外でOK。血統的にここで巻き返してくることは必至で、人気がないなら高く評価すべきだろう。

なお、有馬記念の最終結論はメルマガと競馬予想グランプリで配信予定。乞うご期待!

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