今回は前回に引き続き、秋華賞の「全頭診断」を行う。
これまで主に「展開」、「血統」、「枠順」、「ローテーション」について記してきた。
そのことも考慮した「総評」をお届けする。出走頭数多いため、今回は3回に分けてお送りする。
週末の予想に直結する可能性が高く、内容は必見。最後の1冠を目指す乙女たちを、紐解いていこう。
全頭診断その2
トーセンソレイユ
父ネオユニヴァース、母父アルザオという血統。ディープインパクトの半妹ということで注目を浴びたが、ここで強調できる血統要素は特になし。
クラシックでは桜花賞、オークスともにいいところがなく、秋初戦も惨敗。
阪神よりは京都のほうが向きそうだが、それでも厳しい。
マコトブリジャール
父ストーミングホーム、母父ブライアンズタイムという血統。ミスプロ系の血を持っているのは好材料だろう。
ただ、サンデーの血を持たないというのは決してプラス要素ではない。過去5年の好走馬15頭中13頭は父か母父がサンデー系だった。残り2頭は3冠牝馬の名牝アパパネと、ブラックエンブレム。アパパネに関しては力が違ったことに加えて、サンデー系と同じくらいスピードがあるキングカメハメが父だった。
ブラックエンブレムにしてもフラワーカップ勝ち馬でオークス4着と、それなりの力を持っていた。
マコトブリジャールは重賞勝ちどころか、重賞出走は今回が初めて。血統的にも実績的にも厳しいものがある。
立ち回りがうまいため、枠順も良さそうだが、やはり(0−0−0−38)の紫苑S組という点も見逃せない。総合的に見て、穴を開けるにはワンパンチ足りなさそう。
ノボリディアーナ
父フレンチデピュティに母父サンデーサイレンスという血統は秋華賞の好走血統と言っていいだろう。父母父、母母父セントサイモン系というのもGIで好走するための底力を秘めているように感じる。
ローズSでは道中2番手を進んで敗れたものの、後方待機勢が掲示板を独占するようなレース展開だったこともあって、ノーカウントと考えてよいだろう。むしろ、本番ではこの先行力が生きるはず。
サクラプレジール
父サクラプレジデント、母父ブライアンズタイムという血統。ブライアンズタイムはダートGI馬を何頭も世に送り出している大種牡馬であり、持続力という点でも期待できるため、血統は悪くないだろう。
しかし、オークスでのパフォーマンスや、オークスからの直行というローテーションを見ると、期待値は決して高くない。能力は決して低くないはずだが、無難に乗る福永騎手が穴馬を持ってくるイメージもあまり湧かない。
リボントリコロール
父チチカステナンゴ、母父サンデーサイレンスという血統。ダートの血は持っていないものの、グレイソヴリンの血を持っている点はプラス要素で、秋華賞で求められるスピードの持続力という条件は満たしている。
もっとも、やはり紫苑S組というのはネック。歴史に逆らうことは簡単ではない。
エバーブロッサム
父ディープインパクト、母父デインヒルという血統。この組み合わせは昨年のジェンティルドンナと同じで、好走血統に合致している。
さらに母母父がミスプロ系フォーティナイナーという点も強調材料だ。
ローズSはさすがに負け過ぎだが、馬場のことを考えるとノーカウントと考えて良いだろう。前走は極端な競馬をしたが、本来は中団につけて器用に抜けだしていきたいというタイプの馬。秋華賞でも穴馬として期待される。
もっとも、前走輸送で失敗し、アクシデントにも巻き込まれるなど、順調さを欠いているのは気になる点だ。
長くなってしまったので、今回はここまで。秋華賞で買ってみたい馬はこの馬!
次回は全頭診断の第3弾をお届けする。乞うご期待!