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今回は秋華賞の「全頭診断」を行う。

これまで主に「展開」、「血統」、「枠順」、「ローテーション」について記してきた。

そのことも考慮した「総評」をお届けする。出走頭数多いため、今回は3回に分けてお送りする。

週末の予想に直結する可能性が高く、内容は必見。最後の1冠を目指す乙女たちを、紐解いていこう。

全頭診断その1

※コース成績のデータは単勝50倍以上の馬は除外

スマートレイアー
父ディープインパクト、母父ホワイトマズルはいずれも芝の血統であり、ダート的な要素を持ち合わせていない。

父ディープインパクトの京都芝内回り2000Mの成績は、牝馬だと(1−1−5−7)。好走率こそ50%だが、勝ったのは昨年のジェンティルドンナのみで、その他4度の1番人気馬はすべて敗れている。しかも馬券圏外に敗れた馬も含めて、人気以上に着順が良かったのは14頭中わずか2頭のみ。

血統的には決して推せる馬ではない

また、彼女の場合、斤量の問題も浮上してくる。前走、古馬相手に勝ったこと自体はマイナス材料ではないが、今回はプラス3キロ増。プラス3キロで連対圏に好走した馬は、過去10年でわずかに3頭しかいない。

その3頭、ヤマニンシュクル、アヴェンチュラ、そしてブエナビスタ(2着入線)は前走重賞で馬券になっていた。スマートレイアーの前走は条件戦だ。

しかも、前に行くタイプではない彼女にとって1枠1番は痛恨の枠だろう。内枠は外枠の馬がかぶさってくるため、不利を受けやすい。

さらに、武豊騎手のこのコースにおける勝率は9%。決して悪い数字ではないが、複勝率が40%近いことを考えると、勝ち切れない傾向にある。馬群を割っていくタイプではないだけに、内で詰まるか、直線で外を回して3着が精一杯か

シャトーブランシュ
父キングヘイロー、母父トニービンという血統。ダートの要素はないが、好走血統のグレイソヴリンの血を持っているという点は見どころがあり、母母父のセントサイモン系アレジッドも良いだろう。

もっとも、キャリア7戦中5戦が渋った馬場、芝では良馬場で走ったことがないという珍しいキャリアは、ややネック。本番は晴れる見込みで、高速馬場に対応できない可能性は高い

脚質的に枠もプラスと言えないため、超ハイペースになった時の差し要員、といったところか。

ティアーモ
父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンスはという血統は昨年3着のアロマティコと同じ。ミスプロ(キングマンボ)系のキングカメハメハはこのコースで複勝率40%を誇るだけに、血統的には問題ないだろう。

先行したいタイプのティアーモにとって、この枠は絶好だ。

スマートレイアーの欄で記したように、斤量プラス3キロはネックだが、実力的には来ても何らおかしくない。まだ底を見せていない馬だけに、過剰人気しそうな点はネックだが。

コレクターアイテム
父はトニービンの血を持つハーツクライで、母父はダート血統のストームバード。さらに母父もミスプロ系と、好走血統に合致しているため、血統的には高い評価を与えられる。

もっとも、3歳になってからはさっぱりで、成長力的にも疑問。ここで大駆け、というのもちょっと考えづらい。最後の最後で血統で拾うかどうか、といったところ。

セキショウ
父シンボリクリスエス、母父サンデーサイレンスという血統。

シンボリクリスエスはナスルーラ系の血を持っていて、サンデー系よりも持続力に優れているが、強調材料といえばそれくらいで少し好走血統からは外れるという印象だ。

何よりこの馬に取って最大のネックはローテーション。紫苑S組の過去10年での成績は(0−0−0−38)。なんと1頭も馬券になっていない。

この馬も中山適性の高さで前走は逃げ切れたが、京都は厳しい印象。

ウリウリ
父ディープインパクト、母父フレンチデピュティという血統。ディープインパクトは前述のとおり、好走率だけ見ればまずまずだし、フレンチデピュティは秋華賞の好走血統に合致。

春は煮え切らないレースが続いたが、徐々に力をつけてローズSでも3着に好走した。このレースで4角9番手で回ったことで、好走ローテーションにも合致している

突出した力を持っているわけではないが、相手なりに走れる馬のため、穴を開ける可能性はある。

長くなってしまったので、今回はここまで。秋華賞で買ってみたい馬はこの馬

その馬の名は……(現在15位前後)

次回は全頭診断の第2弾をお届けする。乞うご期待!