いくつか血統的な分析をしたところで、今回は出走馬の“全頭診断”とお届けする。今回は前編。あくまでも現時点での評価だが、週末の予想に直結する可能性は十分あるため、参考にしていただければ幸いです。
1枠1番 キズナ
デビュー2連勝以降の2戦でもたついたが、弥生賞で惨敗したことでダービー一本に照準を絞り、毎日杯、京都新聞杯で連勝。世代屈指の末脚は大きな武器で、血統的にも“適度な軽さ”を持っていて、好走血統に合致する。とはいえ、差し一辺倒の脚質はやはり不安。ダービーはある程度前で競馬を運べないと勝つことが難しいレースだけに、取りこぼしも十分に考えられる。1枠1番もやや難しい枠と言わざるを得ない。
1枠2番 コディーノ
父キングカメハメハはダービー馬で、母父サンデーサイレンスも好走血統に合致。成長力に関しては疑問の配合だが、ローズキングダムが2着に来たことでも分かるとおり、現時点ではその早熟性が武器となり好走の可能性も。枠順も最高だろう。しかし、気になるのは中間の動き。水曜日輸送、東京競馬場での追い切り、そして横山典弘騎手からC・ウィリアムズ騎手への乗り替わり……。いやはや、どうしたものか、といったところ。
2枠3番 アポロソニック
父ビッグブラウンは無敗のアメリカ2冠馬。逃げ・先行の脚質で全米を沸かせたスターホースの一頭だ。アポロソニックも父から受け継がれた先行力でダービーへと駒を進めた。とはいえ、前走は楽逃げだったこともあり、ここでもしのぎきれるかは疑問。
2枠4番 クラウンレガーロ
父グラスワンダーは、先週の桜花賞の勝ち馬メイショウマンボと同じ。ここでも……の期待をもたせるところだが、もともと小倉2歳Sで勝負していた馬。2400mのダービーでは厳しいように思える。
3枠5番 メイケイペガスター
フジキセキ産駒のダービーといえばドリームパスポートを思い出すが、この馬はとにかく折り合いが鍵の馬。折り合い次第で、共同通信杯や前走のように切れる脚を使える時もあれば、若葉Sのようにチグハグなレースをすることもある。ただ、やはりフジキセキ産駒ということは気がかり。過去5年、フジキセキ産駒は2000m以上の重賞に77頭が出走し、(2−5−5−65)、単勝回収値10、複勝回収値66という散々な成績。厳しいか。
3枠6番 ラブリーデイ
野路菊Sを勝ったまでは良かったが……。京王杯なんかに使わないで普通に使っていれば今頃もっといい馬になっていただろうに、もったいない馬。
4枠7番 ヒラボクインパクト
父ディープインパクト×母父ストームキャットと、適度な軽さを持ち合わせた血統で、高評価が与えられる。仮に先週の馬場状態が続くなら、この馬の先行力は生きるだろう。そこまで能力の高さを感じるわけではないが、このメンバーなら十分可能性があるだろう。
4枠8番 ロゴタイプ
血統的な不安要素が多い馬だということは、これまでの検証で証明済み。確かに今年のレベルを考えると、そんなの関係なく強い馬が来るというならそれまでだと思うが、穴党としてはやはり不安のある人気馬は嫌ってみたい。となると、この馬にそこまで信頼を置くことはできない、というのが今の率直な印象。
ということで、この中で一番買いたい馬はこの馬!