前回の検証ではジャパンカップの「血統傾向」について書いた。

日本で最も重要視されるコースではスピードと底力の両方が必要になる。血統的な下地がなければ好走することが困難なことはお分かりいただけただろう。

さて、ジャパンカップは枠順発表が木曜日ということで、今回は「枠順の明暗」について書きたいと思う。

好走が絶望的な枠

最強馬決定戦のジャパンカップでは少しのロスが命取りとなる。だから枠順が非常に重要なファクターとなる。

東京競馬場は直線が長いため、枠順がそれほど関係ないと思われがちだが、実際にはそうではない。特に芝2400Mはコーナーを4回回らなければならない。だから外を回る馬たちの「距離ロス」が避けられず、結果的に内を回る馬のほうが有利な傾向にある。

ジャパンカップと同じコースで行われる日本ダービーでは、「1枠1番」が絶好枠として知られている。今年も1枠1番のキズナがダービーを制し、この枠の優位性が改めて証明された。

では、なぜ1枠1番がいい枠なのか? これは単純に、距離ロスが最も発生しづらい枠だからだろう。

ジャパンカップでも距離ロスは命取りになる。だから、外枠に入った馬たちは結果を出せていない。

以下はジャパンカップの過去10年の馬番11番より外の馬の成績だ。

(3―4―1―59)
複勝率11%
複勝回収値31

この数字だけ見れば「意外と走っているのでは?」と思われるかもしれないが、馬券圏内に来ている馬は人気馬のみ。

4番人気以下の成績に絞ると……

(1―1―0―55)
複勝率4%
複勝回収値20

ご覧のとおり、好走は絶望的になる。ちなみに好走した2頭は、スクリーンヒーローとトーセンジョーダン。しかし、この2頭にしても大きな距離ロスはなかった。

スクリーンヒーローは終始内ラチから3頭目あたりで立ち回り、1着となった。やや外を回った感はあったが、許容範囲の範疇だろう。何より、この年は展開の助けがかなりあった。流れがスローになり、7着以内に入った7頭中6頭が4角を6番手以内で回っていたのだ。スクリーンヒーローは4角5番手。絶好の展開の中で好走したということだ。

トーセンジョーダンも、同じく外枠から先行して、ほとんど内ラチ沿い〜2投目を回っていたため、ほとんど距離ロスはなかった。しかもこの年もスローで流れ、トーセンジョーダンにとっては楽なペースだった。

まとめると、多頭数の場合、外枠不利は明白。特に力がない人気薄の馬は好走がかなり困難になる。例外があるとすれば先行して距離ロスを最低限に抑えて、かつ展開が向いた場合のみ。

今年、11番より外枠に入ったのは……

ルルーシュ
ホッコーブレーヴ
ゴールドシップ
シメノン
スマートギア
ヒットザターゲット
ジョシュアツリー

3番人気いないが確実なゴールドシップ以外は、大きなハンデを背負うことになった。中でも穴人気しそうなこの馬たちは内枠が欲しかっただけに、好走の可能性がかなり狭まってしまったと言わざるを得ない。

その馬たちの名は→
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