なんという末脚! 思わずテレビの前で叫んでしまった。

上がり3ハロンは32.5。何より4角18番手から17頭をゴボウ抜きするというド派手なパフォーマンスは衝撃的だった。阪神ジュベナイルフィリーズはもちろん、来年のクラシックに向けた最有力馬に浮上したことは間違いない。

もっとも、冷静に振り返るとこのパフォーマンスを鵜呑みのしてしまうのは「危険」という考え方もできる。

上位4頭の4角通過順位はそれぞれ18番手、13番手、8番手、17番手。ペースこそ遅かったものの、完全に差し競馬となり、ハープスターにとって展開が向いたとも言うことができる。先行勢が順に後退していったことも、後方待機組有利という展開を示唆している。

思い返してみれば新潟2歳Sというのは、差し競馬になりがちで、過去にもこういったレースはある。例えば、2009年もシンメイフジが4角18番手から32.9秒の脚を使って豪快に差しきった。しかし、次走の阪神ジュベナイルフィリーズでは1番人気ながら5着、その後もさっぱりの成績で関東オークス以外で馬券に絡むことはなかった。

もちろん、血統的には成長を期待できる。父フジキセキ、母父ティンバーカントリーという2歳GI馬を掛けあわせた早熟血統だったシンメイフジに対して、ハープスターは父ディープインパクト、母父ファルブラヴ。さらに母母父は凱旋門賞馬トニービンだけに、これから本格化していくはずだ。

もっとも、今後、仮にこのパフォーマンスによって異常な人気を集めるようならば、(脚質も含めて)取りこぼしを考えた買い方もしていくべきだろう。

と、言って嫌いすぎて外す未来が見えなくもないが(苦笑)。

さて、来週は新潟芝2000mを舞台とした新潟記念が行われる。現時点での本命馬候補はこちら