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オルフェーヴルの回避によって“4強対決”が幻に終わり、やや冷めた感のある宝塚記念。

しかし、本当に面白くなくなったのだろうか? いや、そうではないだろう。“4強対決”が見られなくなったのは残念だが、残りの“3強”も十分過ぎる名馬たちだ。

この“3強対決”でワクワクしないなんて、もったいなさ過ぎる!!

そこで今回は、宝塚記念を楽しむ3つのポイントを、私の視点でお届けする。

1.ステイゴールド対ディープインパクト

一つ目のポイントは“種牡馬対決”。現在、日本競馬をリードする2頭の種牡馬の産駒が、宝塚記念の主役になることは間違いない。

父ステイゴールド
ゴールドシップ
フェノーメノ

父ディープインパクト
ジェンティルドンナ
(トーセンラー)

どの馬が主役になるのか、どの馬が期待に応えられないのか。気になるところだろう。血統的な見解から言えば、宝塚記念の阪神芝2200mはトリッキーなコースで、府中を得意とするような“王道血統”は凡走する傾向にある。つまり、ディープインパクトが強調できないコースというわけだ。

反対に、ステイゴールド産駒はナカヤマフェスタやドリームジャーニーを見ても分かるとおり、このコースを得意としている。果たして、今回もステイゴールドが躍動するのか、それともディープインパクトが巻き返すのか、興味深いところだ。

2.ジェンティルドンナは本当に本物なのか?

“3強対決”と言われているが、果たして本当にそうなのか?

昨年、“4冠牝馬”となったジェンティルドンナにこんな疑問をぶつけること自体が失礼なのかもしれないが、彼女にとっては試金石となるレースだと私は見ている。

オルフェーヴルを下したジャパンカップは称賛されるべきとはいえ、あの時は斤量の差や反則スレスレの騎乗といったプラスファクターがあったことも事実。そもそもオルフェーヴルは帰国初戦ということで万全でなかった。

じゃあ、他の馬も勝てたのか? といえば決してそうではないし、ジェンティルドンナの能力を否定しているわけではない。ただ今回は古馬になっての国内初戦、初の阪神内回り、初の斤量56キロという不安がつきまとう。それをはねのけられるのか。大きな注目点の一つだろう。

3.“3強”では決まらない? 競馬に絶対はない

“3強対決”が注目を集めているものの、そもそも本当に“3強”なのだろうか? 3頭立てで、この3頭以外の存在はないに等しいのか?

そんなことはないだろう。確かに登録メンバーを見ると小粒感は否めないが、何頭か面白い穴馬候補がいることも事実だ。

過去にも「絶対」と言われた1番人気の馬が何頭も敗れ去ってきた。最近で言えば天皇賞春のゴールドシップが記憶に新しいし、オルフェーヴル(=ビートブラック)の天皇賞春、ブエナビスタ(=クイーンスプマンテ)のエリザベス女王杯などなど、挙げればきりがない。それこそ“3強対決”と言われた2009年のクラシック、皐月賞ではアンライバルドが勝利したものの、リーチザクラウンとロジユニヴァースは惨敗した。

今回も、「競馬に絶対はない」という教訓を教えてくれるレースになるかもしれない。

 

いかがだっただろうか? 他にも見つけようと思えばいくらだって見どころがあるのが今回の宝塚記念だと思う。皆さんも独自の楽しみを持ってレースに臨んでみてはいかがだろうか? そうすれば、今よりもっとわくわくするはず!

そして、だからこそ、穴馬を探していこう! というわけで、今後検証をスタートさせていく。

オルフェーヴルがいなくとも、“春競馬の総決算”を楽しもう! 乞うご期待!